エラー大全集

様々なツールのエラーを解説しています。

SQL Server 2022 Developer Edition インストール時に「Exit code: -2054422498」発生する原因と対処法(2025年11月1日公開)


SQL Server 2022 Developer Editionをインストール中に、**「問題が発生しました…」**という黒いエラーダイアログが表示され、インストールが中断されてしまうケースが多数報告されています。

特に今回のように表示されたエラー文が以下の内容の場合、原因はかなり特定しやすいです。

Exit code (Decimal) = -2054422498
Exit message: INSTALLSHAREDDIR パラメーターに指定されたディレクトリ "C:\Program Files\Microsoft SQL Server" が無効です。このディレクトリは圧縮されているか、圧縮されていないディレクトリにあります。圧縮されていないディレクトリを指定してください。

この記事では、このエラーの原因と、確実にインストールを完了させるための手順をわかりやすく解説します。

エラーの原因は「圧縮フォルダ(Compressed Folder)」

最重要ポイントはここです。
SQL Serverのセットアッププログラムは、インストール先ディレクトリ(例:C:\Program Files\Microsoft SQL Server\)が**NTFSの圧縮属性(Compressed)**になっている場合、動作を停止する仕様になっています。

つまり、今回のエラーはインストールファイル自体に問題があるのではなく、保存先フォルダが「圧縮状態」になっていることが原因です。

確認方法(圧縮フォルダかどうか)

(1) エクスプローラーで「C:\Program Files\」を開きます。
(2) フォルダ「Microsoft SQL Server」を右クリック →「プロパティ」を開きます。
(3) 画面下部の「詳細設定(Advanced)」をクリックします。
(4) 「内容を圧縮してディスク領域を節約する(Compress contents to save disk space)」のチェックが入っている場合、それが原因です。

このチェックがオンのままだと、SQL Serverはそのフォルダを「無効なディレクトリ」と判断してしまいます。

対処法① 圧縮属性を解除する

(1) 「C:\Program Files\Microsoft SQL Server\」フォルダを右クリックし、「プロパティ」を開きます。
(2) 「詳細設定」ボタンをクリックします。
(3) 「内容を圧縮してディスク領域を節約する」のチェックを外す
(4) 「OK」→「適用」を押し、「このフォルダー、サブフォルダーおよびファイル」にチェックを入れて適用。
(5) すべての処理が完了したら、PCを再起動。

その後、もう一度インストーラーを実行すると、正常に進行するはずです。

対処法② 別のフォルダを指定する

もしProgram Files配下の圧縮を解除できない環境(企業PCや制限付きアカウント)なら、以下のように独自のディレクトリを作って指定する方法もあります。

例:
D:\SQLServer\ などの新しいフォルダを作成して、そこをインストール先に指定します。

インストーラーの途中で「共有コンポーネントのディレクトリ」や「インスタンスルートディレクトリ」を聞かれたら、すべて新しいフォルダに変更してください。

対処法③ 圧縮を自動で解除するコマンド(上級者向け)

コマンドプロンプト(管理者として実行)で、以下を入力することで圧縮属性を一括解除できます。

compact /u /s:"C:\Program Files\Microsoft SQL Server"

 

このコマンドは、指定したフォルダ以下のすべてのファイル・サブフォルダの圧縮を解除します。
完了後にインストールを再試行してください。

対象バージョンと環境

この不具合は以下の環境で特に多く報告されています。

  • SQL Server 2022 Developer Edition(Build: 16.2.211.5693.5)

  • Windows 11 Home / Pro(22H2以降)

  • システムドライブ(C:)に「ストレージセンサー」機能が有効

Windowsの「ストレージセンサー」が自動的に古いフォルダを圧縮する設定になっている場合、知らないうちにProgram Files配下も圧縮されてしまい、このようなトラブルが発生します。

もし再試行しても失敗する場合

以下の追加チェックポイントを確認してください。

  • 管理者権限でインストーラーを実行しているか

  • インストーラーが破損していないか(Microsoft公式サイトから再ダウンロード)

  • 旧バージョン(SQL Server 2019など)が残っていないか

特に旧バージョンが中途半端に残っている場合、レジストリに古いINSTALLSHAREDDIR設定が残っていて同じエラーが出ることがあります。
その場合は「SQL Server インストールセンター」→「既存インスタンスの削除」で完全アンインストールを実施してください。

まとめ:エラー -2054422498 は「圧縮フォルダ解除」で解決する

エラーコード -2054422498 は致命的なものではなく、「インストール先フォルダが圧縮されている」という単純な設定ミスが原因です。
圧縮を解除すれば、再インストールでほぼ確実に成功します。

対処の流れをもう一度整理すると、次の通りです。

(1) C:\Program Files\Microsoft SQL Server\ の圧縮を解除
(2) PCを再起動
(3) 管理者権限で再インストール
(4) 必要に応じて別ドライブを指定

これでSQL Server 2022 Developer Editionは正常に導入できるはずです。

圧縮フォルダの設定を再発防止する方法

一度インストールが完了しても、Windows 11の「ストレージセンサー」機能が自動で再びProgram Filesを圧縮してしまうケースがあります。
再発を防ぐには、ストレージの自動圧縮を無効化しておくことが重要です。

(1) 設定アプリを開き、「システム」→「ストレージ」を選択します。
(2) 「ストレージセンサー」をクリックします。
(3) 「ストレージセンサーを自動的に実行する」をオフに切り替えます。
(4) さらに「コンテンツを自動的にクラウドに移動」などの項目もオフにしておくと安全です。

この設定をしておくことで、SQL Serverなどの開発系ソフトが再び圧縮されるのを防げます。

どうして圧縮されてしまうのか(背景解説)

Windows 10以降、Microsoftは空き容量を自動的に確保するために、未使用のファイルやフォルダをNTFS圧縮する機能を標準で導入しました。
これにより、SSDの容量が少ないノートPCなどでは勝手に「Program Files」や「AppData」配下まで圧縮されてしまうことがあります。

SQL Serverは非常に大きなバイナリを多く展開するソフトのため、圧縮フォルダ内ではファイルI/Oが不安定になりやすく、インストール時に整合性チェックで止まるというわけです。

つまり今回のエラーは、Windowsの“便利機能”が裏目に出ている典型的な例と言えます。

追加の確認ポイント(エラーが再発する場合)

もし圧縮解除後も再び同じエラーが出る場合、次の箇所を確認してください。

  • C:\Program Files (x86)\Microsoft SQL Server\ も圧縮されていないか

  • 一時フォルダ C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Temp が圧縮されていないか

  • SQL Serverセットアップを「管理者として実行」しているか

特にTempフォルダが圧縮済みだと、途中のファイル展開に失敗して同じエラーコードが出ることがあります。

ログファイルの場所と読み方

インストーラー画面に表示されたログパス:
C:\Program Files\Microsoft SQL Server\160\Setup Bootstrap\Log\20251101_082343

ここに詳細なセットアップログ(Summary.txtやDetail.txt)が保存されています。
もし異常が残る場合、このフォルダ内の Summary.txt をメモ帳で開き、
Errorfailed の行を探すと、具体的にどのステップで停止したか確認できます。

SQL Server再インストール時のコツ

一度失敗した環境では、部分的に残ったインストール情報が邪魔をすることがあります。
その場合は次の手順で一度クリーンアップしてから再試行するのが確実です。

(1) 「アプリと機能」で“Microsoft SQL Server”関連をすべてアンインストール
(2) C:\Program Files\Microsoft SQL Server\ フォルダを手動で削除
(3) C:\Program Files (x86)\Microsoft SQL Server\ も同様に削除
(4) 再起動後、最新のSQL Server 2022インストーラー(ビルド16.2.211.5693.3以降)を再ダウンロード
(5) 管理者権限で実行

これでほぼ100%インストールが成功するはずです。

インストール後のチェックポイント

無事にインストールが完了したら、次の点も確認しておくと安心です。

  • SQL Server Configuration Manager が開けるか

  • SQL Server Management Studio(SSMS) が正しく接続できるか

  • サービス名「MSSQLSERVER」 が自動起動設定になっているか

これらが問題なければ、環境構築は完了です。

まとめ:圧縮属性が原因のエラーは設定変更で完全解決できる

今回のエラー「Exit code -2054422498」は、圧縮されたフォルダにインストールしようとしたことが原因でした。
圧縮解除、ストレージセンサーの無効化、再インストールの3ステップで解消できます。

ポイントを再整理すると:

  • 原因:C:\Program Files\Microsoft SQL Server\ の圧縮属性

  • 対処:圧縮解除 or 別フォルダ指定

  • 再発防止:Windowsの自動圧縮をオフ

  • 成功率を上げる:管理者権限+最新ビルド使用

焦らず手順通りに設定すれば、Developer Editionは問題なく導入できます。

コメント欄:あなたの成功例・失敗例を教えてください

「圧縮を解除したら通った!」「別ドライブに変えたら成功した!」など、あなたの結果を共有してみませんか?
他の読者が同じエラーで悩んでいるかもしれません。
小さな報告でも、誰かの助けになります。

次にこの記事を読む誰かが、あなたのコメントでインストールを成功できるかもしれません。