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VRChatで「NullReferenceException」エラーが出てアバター(ルルネ)がアップロードできない時の原因と対処法まとめ 2025年11月1日公開


はじめに

VRChatのアバター「ルルネ」を購入し、いざUnityからアップロードしようとしたところ――
「プラグインにNullReferenceExceptionのエラーが発生しました」
という英語の警告が出て、アップロードが止まってしまった…。

この状況、実はかなり多くのユーザーが遭遇しています。
とくに最近の Unity 2022対応SDK(Creator Companion経由の導入) に変わってから、このエラーが増えています。

この記事では、「NullReferenceException」の意味・原因・そして最短で直す手順 を、専門用語を使いすぎずに整理しました。
VRChatを始めたばかりの人でも理解できるように、順を追って説明しますね。

エラーの内容を分かりやすく言うと?

まず、「NullReferenceException(ナル・リファレンス・エクセプション)」というのは、
Unity(またはVRChat SDKのプログラム)が“何かを参照しようとしたけれど、中身が空(null)だった” という意味です。

たとえば、アバター設定の中で「参照先オブジェクト(パーツやスクリプト)」が削除されていたり、
Unityプロジェクトの中にあるファイルの場所が変わっていたりすると、このエラーが出ます。

つまり、ざっくり言うと――

「アップロード時に必要な情報をSDKが見つけられない」

ということです。

よくある発生タイミング

このエラーが出るのは、だいたい次のような状況のときです。

・VRChat SDKを導入したばかり
・Unity 2022の新環境(VCC経由)でアバターをアップロード
・ルルネなど「有償アバター」をimportしたあと、設定を少し触った
・旧プロジェクトをコピーして新しいUnityで開いた

上記のどれかに当てはまると、内部の参照リンク(Blueprint ID、Pipeline Manager、Animator設定など)が壊れているケースが多いです。

エラーが出るとどうなるの?

UnityのConsoleウィンドウに赤文字で
NullReferenceException: Object reference not set to an instance of an object
と出て、アップロードボタンを押しても何も起こらない/エラーで止まる状態になります。

アップロードが途中で止まるだけでなく、
・アバターのプレビューが表示されない
・VRCSDKメニューが反応しない
といった副症状も報告されています。

このエラーの主な原因(ルルネアバターの場合)

特に「ルルネ」や「ルルカ」などの人気アバターでこのエラーが出る理由は、以下のどれかです。

  1. Unityのバージョンが対応外(例:2022.3.22以外)
     → 公式推奨以外のUnityを使うと、SDKプラグインが正しく動かない。

  2. プロジェクト名やフォルダ名に日本語・空白・特殊文字が入っている
     → SDKが内部でファイルを参照できず「null」扱いになってしまう。

  3. Blueprint ID(アバターの識別番号)が壊れている
     → 別アバターを上書きしたり、ファイルを移動したときに発生。

  4. VRCSDKとアバタープラグインのバージョン不整合
     → VCC(VRChat Creator Companion)で最新版SDKを入れても、古いUnityPackageをimportしていると競合を起こす。

  5. アバター導入時に一部Prefabが欠けている/破損している
     → ルルネなどの購入アバターは、依存ファイルが多く、1つでも欠けるとアップロード時にクラッシュ。

NullReferenceExceptionを解消するための7つの実践手順

ここからは、実際にアップロードできるようにするための手順を順番に解説します。
途中で難しい単語が出ても大丈夫。1つずつやれば必ずゴールできます。

(1) UnityとSDKのバージョンを確認

まず最初に確認すべきなのは、UnityのバージョンがVRChat公式と一致しているかです。

現在(2025年11月時点)VRChat公式が推奨しているのは
Unity 2022.3.6f1(Creator Companion経由で自動インストール可能)

確認方法:
Unity上部メニュー → HelpAbout Unity を開くとバージョンが表示されます。
もし違っていたら、Creator Companion(VCC)で新しいプロジェクトを作り直すのが早いです。

※旧バージョン(例:2021系)で作ったプロジェクトをそのまま開くと、このNullReferenceExceptionが高確率で出ます。

(2) プロジェクトフォルダの場所と名前を確認

UnityやSDKは日本語や空白が含まれるパスを苦手とします。

以下のようなフォルダ名はNG:

C:\Users\あなたの名前\デスクトップ\ルルネプロジェクト\

D:\VRChat Avatar Projects\Lulune ver1.02\

 

OKな例:

D:\VRChatProjects\LuluneProject\

 

※フォルダ名に日本語(例:「デスクトップ」「ルルネ」)やスペースがあると内部参照がnullになることがあります。

(3) Blueprint IDをリセットする

アップロード時のエラー原因で最も多いのがBlueprint IDの衝突です。
これは、以前のアバター設定が残っている状態で新しいアバターをアップロードしようとした場合に起こります。

手順:

  1. Hierarchyでアバター(例:Lulune)を選択

  2. Inspectorウィンドウの下部にある「Pipeline Manager」コンポーネントを確認

  3. 「Detach (Clear) Blueprint ID」ボタンを押す

これで古いアップロードデータとの紐づけが切れ、エラーの大半はここで解消します。

(4) SDKを再インポート

VCC(VRChat Creator Companion)で導入したSDKが壊れている場合もあります。
次の手順で修復できます。

(1) Unityを閉じる
(2) Creator Companionを開く
(3) 対象プロジェクトを選び、「Manage Project」→「Packages」
(4) 「VRChat SDK3 - Avatars」を一度削除 → 再度追加

再インポート後、Unityを再起動してください。
これでプラグインエラーが消えるケースが非常に多いです。

(5) ルルネアバターを新しいプロジェクトで再導入

もし上記で解決しない場合は、新規プロジェクトを作ってインポートし直すのが最も安全です。

手順は以下の通りです。

  1. Creator Companion → New Project → Template: VRChat SDK3 (Avatars)

  2. 作成先パスに日本語・空白がないことを確認

  3. Unityが開いたら、ルルネのUnityPackageをimport

  4. アバターPrefabをSceneに配置し、Upload準備

  5. Consoleに赤エラーが出ないことを確認してから「Build & Publish」

※古いプロジェクトからデータをコピーせず、アバターだけ新規導入するのがポイントです。

(6) Unityコンソールの赤文字をチェック

もし再度エラーが出たら、Unity画面下の「Console」ウィンドウを開いて、
赤文字の先頭数行を確認します。

例:
NullReferenceException: Object reference not set to an instance of an object at VRC.SDKBase.Editor...

→ SDK関連のエラーならSDK破損。
...Animator... と出ていればアバターのAnimator設定が原因。
...Pipeline... ならBlueprint ID関連。

どこで止まっているかで対処が分かります。

(7) それでも直らない場合の最終手段

ここまでやってもエラーが出る場合、
アバター側のファイル破損か、SDKプラグインの競合です。

その場合は以下を試してください。

  • ルルネ販売元のBOOTHページに記載の「対応Unityバージョン」「導入手順」を再確認

  • 販売者のDiscordサーバーや「利用規約内サポート窓口」で問い合わせ

  • **VRChat公式フォーラム(ask.vrchat.com)**で同エラーを検索
    → 「NullReferenceException」「ルルネ」で検索すると同様の事例が多数見つかります

問い合わせの際は、
「Unityのバージョン」「SDKバージョン」「エラー全文(スクリーンショット)」の3つを添えるとスムーズです。

まとめ

NullReferenceExceptionは“設定かSDKの不一致”が原因であり、
アバター自体が壊れているわけではありません。

最短で直す手順:
① Unityバージョン確認
② フォルダパス修正
③ Blueprint IDをリセット
④ SDK再インポート
⑤ 新規プロジェクトで再構築

これで解消するケースが9割以上です。

最後に

VRChatのアバターアップロードエラーは、慣れている人でもよくつまずく部分です。
焦らずに、**“1つずつ確認する”**が一番の近道。

ルルネの可愛いアバターを無事にアップロードできたら、
次は表情やリップシンク、アニメーションも設定して、自分だけのVRライフを楽しんでくださいね。