
はじめに
VRChatのアバター「ルルネ」を購入し、いざUnityからアップロードしようとしたところ――
 「プラグインにNullReferenceExceptionのエラーが発生しました」
 という英語の警告が出て、アップロードが止まってしまった…。
この状況、実はかなり多くのユーザーが遭遇しています。
 とくに最近の Unity 2022対応SDK(Creator Companion経由の導入) に変わってから、このエラーが増えています。
この記事では、「NullReferenceException」の意味・原因・そして最短で直す手順 を、専門用語を使いすぎずに整理しました。
 VRChatを始めたばかりの人でも理解できるように、順を追って説明しますね。
- はじめに
 - エラーの内容を分かりやすく言うと?
 - よくある発生タイミング
 - エラーが出るとどうなるの?
 - このエラーの主な原因(ルルネアバターの場合)
 - NullReferenceExceptionを解消するための7つの実践手順
 - まとめ
 
エラーの内容を分かりやすく言うと?
まず、「NullReferenceException(ナル・リファレンス・エクセプション)」というのは、
 Unity(またはVRChat SDKのプログラム)が“何かを参照しようとしたけれど、中身が空(null)だった” という意味です。
たとえば、アバター設定の中で「参照先オブジェクト(パーツやスクリプト)」が削除されていたり、
 Unityプロジェクトの中にあるファイルの場所が変わっていたりすると、このエラーが出ます。
つまり、ざっくり言うと――
「アップロード時に必要な情報をSDKが見つけられない」
ということです。
よくある発生タイミング
このエラーが出るのは、だいたい次のような状況のときです。
・VRChat SDKを導入したばかり
 ・Unity 2022の新環境(VCC経由)でアバターをアップロード
 ・ルルネなど「有償アバター」をimportしたあと、設定を少し触った
 ・旧プロジェクトをコピーして新しいUnityで開いた
上記のどれかに当てはまると、内部の参照リンク(Blueprint ID、Pipeline Manager、Animator設定など)が壊れているケースが多いです。
エラーが出るとどうなるの?
UnityのConsoleウィンドウに赤文字で
 NullReferenceException: Object reference not set to an instance of an object
 と出て、アップロードボタンを押しても何も起こらない/エラーで止まる状態になります。
アップロードが途中で止まるだけでなく、
 ・アバターのプレビューが表示されない
 ・VRCSDKメニューが反応しない
 といった副症状も報告されています。
このエラーの主な原因(ルルネアバターの場合)
特に「ルルネ」や「ルルカ」などの人気アバターでこのエラーが出る理由は、以下のどれかです。
- Unityのバージョンが対応外(例:2022.3.22以外)
→ 公式推奨以外のUnityを使うと、SDKプラグインが正しく動かない。 - プロジェクト名やフォルダ名に日本語・空白・特殊文字が入っている
→ SDKが内部でファイルを参照できず「null」扱いになってしまう。 - Blueprint ID(アバターの識別番号)が壊れている
→ 別アバターを上書きしたり、ファイルを移動したときに発生。 - VRCSDKとアバタープラグインのバージョン不整合
→ VCC(VRChat Creator Companion)で最新版SDKを入れても、古いUnityPackageをimportしていると競合を起こす。 - アバター導入時に一部Prefabが欠けている/破損している
→ ルルネなどの購入アバターは、依存ファイルが多く、1つでも欠けるとアップロード時にクラッシュ。 
NullReferenceExceptionを解消するための7つの実践手順
ここからは、実際にアップロードできるようにするための手順を順番に解説します。
 途中で難しい単語が出ても大丈夫。1つずつやれば必ずゴールできます。
(1) UnityとSDKのバージョンを確認
まず最初に確認すべきなのは、UnityのバージョンがVRChat公式と一致しているかです。
現在(2025年11月時点)VRChat公式が推奨しているのは
 → Unity 2022.3.6f1(Creator Companion経由で自動インストール可能)
確認方法:
 Unity上部メニュー → Help → About Unity を開くとバージョンが表示されます。
 もし違っていたら、Creator Companion(VCC)で新しいプロジェクトを作り直すのが早いです。
※旧バージョン(例:2021系)で作ったプロジェクトをそのまま開くと、このNullReferenceExceptionが高確率で出ます。
(2) プロジェクトフォルダの場所と名前を確認
UnityやSDKは日本語や空白が含まれるパスを苦手とします。
以下のようなフォルダ名はNG:
C:\Users\あなたの名前\デスクトップ\ルルネプロジェクト\
D:\VRChat Avatar Projects\Lulune ver1.02\
OKな例:
D:\VRChatProjects\LuluneProject\
※フォルダ名に日本語(例:「デスクトップ」「ルルネ」)やスペースがあると内部参照がnullになることがあります。
(3) Blueprint IDをリセットする
アップロード時のエラー原因で最も多いのがBlueprint IDの衝突です。
 これは、以前のアバター設定が残っている状態で新しいアバターをアップロードしようとした場合に起こります。
手順:
- Hierarchyでアバター(例:Lulune)を選択
 - Inspectorウィンドウの下部にある「Pipeline Manager」コンポーネントを確認
 - 「Detach (Clear) Blueprint ID」ボタンを押す
 
これで古いアップロードデータとの紐づけが切れ、エラーの大半はここで解消します。
(4) SDKを再インポート
VCC(VRChat Creator Companion)で導入したSDKが壊れている場合もあります。
 次の手順で修復できます。
(1) Unityを閉じる
 (2) Creator Companionを開く
 (3) 対象プロジェクトを選び、「Manage Project」→「Packages」
 (4) 「VRChat SDK3 - Avatars」を一度削除 → 再度追加
再インポート後、Unityを再起動してください。
 これでプラグインエラーが消えるケースが非常に多いです。
(5) ルルネアバターを新しいプロジェクトで再導入
もし上記で解決しない場合は、新規プロジェクトを作ってインポートし直すのが最も安全です。
手順は以下の通りです。
- Creator Companion → New Project → Template: VRChat SDK3 (Avatars)
 - 作成先パスに日本語・空白がないことを確認
 - Unityが開いたら、ルルネのUnityPackageをimport
 - アバターPrefabをSceneに配置し、Upload準備
 - Consoleに赤エラーが出ないことを確認してから「Build & Publish」
 
※古いプロジェクトからデータをコピーせず、アバターだけ新規導入するのがポイントです。
(6) Unityコンソールの赤文字をチェック
もし再度エラーが出たら、Unity画面下の「Console」ウィンドウを開いて、
 赤文字の先頭数行を確認します。
例:
 NullReferenceException: Object reference not set to an instance of an object at VRC.SDKBase.Editor...
→ SDK関連のエラーならSDK破損。
 ...Animator... と出ていればアバターのAnimator設定が原因。
 ...Pipeline... ならBlueprint ID関連。
どこで止まっているかで対処が分かります。
(7) それでも直らない場合の最終手段
ここまでやってもエラーが出る場合、
 アバター側のファイル破損か、SDKプラグインの競合です。
その場合は以下を試してください。
- ルルネ販売元のBOOTHページに記載の「対応Unityバージョン」「導入手順」を再確認
 - 販売者のDiscordサーバーや「利用規約内サポート窓口」で問い合わせ
 - **VRChat公式フォーラム(ask.vrchat.com)**で同エラーを検索
→ 「NullReferenceException」「ルルネ」で検索すると同様の事例が多数見つかります 
問い合わせの際は、
 「Unityのバージョン」「SDKバージョン」「エラー全文(スクリーンショット)」の3つを添えるとスムーズです。
まとめ
NullReferenceExceptionは“設定かSDKの不一致”が原因であり、
 アバター自体が壊れているわけではありません。
最短で直す手順:
 ① Unityバージョン確認
 ② フォルダパス修正
 ③ Blueprint IDをリセット
 ④ SDK再インポート
 ⑤ 新規プロジェクトで再構築
これで解消するケースが9割以上です。
最後に
VRChatのアバターアップロードエラーは、慣れている人でもよくつまずく部分です。
 焦らずに、**“1つずつ確認する”**が一番の近道。
ルルネの可愛いアバターを無事にアップロードできたら、
 次は表情やリップシンク、アニメーションも設定して、自分だけのVRライフを楽しんでくださいね。