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Windows 11で「msvcr100.dll / msvcr110.dll が見つかりません」エラーの原因と解決法


2025年9月6日公開

Windows 11でアプリやゲームを起動しようとしたときに、**「msvcr100.dll が見つかりません」または「msvcr110.dll がありません」**というエラーに遭遇するケースがあります。これらのDLL(Dynamic Link Library)ファイルは、Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージの一部であり、欠損や破損があると依存するソフトウェアが動作しなくなります。

この記事では、このDLLエラーの発生原因と、安全かつ確実に修復する方法を時系列で詳しく解説します。

msvcr100.dll / msvcr110.dll エラーの原因

msvcr100.dll → Microsoft Visual C++ 2010 Redistributable に含まれるファイル
msvcr110.dll → Microsoft Visual C++ 2012 Redistributable に含まれるファイル

これらは通常、以下のフォルダに存在します。

  • 64bit Windows: C:\Windows\System32

  • 32bit アプリ用: C:\Windows\SysWOW64

エラーが発生する主な原因は次の通りです。

  • Visual C++ ランタイムの未インストールまたは破損

  • Windows アップデートの不備

  • システムファイルの破損

  • DLLが誤って削除された

  • マルウェアによる破損や削除

解決方法(推奨手順)

(1) Visual C++ 再頒布可能パッケージをインストール

最も安全で確実な方法は、Microsoft公式サイトからVisual C++ 2010および2012 Redistributableを再インストールすることです。

  • Visual C++ 2010 Redistributable → msvcr100.dll

  • Visual C++ 2012 Redistributable Update 4 → msvcr110.dll

※必ず x86版とx64版両方 を入れること。64bit環境でも32bitアプリはx86版を必要とします。

(2) Windows Updateを実行

ランタイムが含まれる場合があるため、最新アップデートを適用します。
「設定」→「Windows Update」→「更新プログラムのチェック」を実行し、すべて適用してください。

(3) Visual C++ の修復

既にランタイムが入っている場合は修復を試みます。

(1) Win + R → appwiz.cpl を入力してプログラム一覧を開く
(2) 「Microsoft Visual C++ 2010/2012 Redistributable」を選択
(3) 「変更」→「修復」をクリック

これで欠損ファイルが復元されることがあります。

(4) システムファイルを修復(SFC & DISM)

システム自体の破損が疑われる場合は以下を実行します。

管理者権限のコマンドプロンプトを開き、順番に入力:

DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth  

sfc /scannow  

 

完了後にPCを再起動してください。

(5) リサイクルビンを確認

誤ってDLLを削除した場合、リサイクルビンから復元できる可能性があります。

(6) マルウェアスキャン

ウイルスやマルウェアがDLLを破壊するケースもあるため、WindowsセキュリティやMalwarebytesなどでフルスキャンを行ってください。

(7) 対象アプリを再インストール

特定のアプリだけでエラーが出る場合は、そのアプリ自体を再インストールしましょう。

(8) DirectX ランタイムの再インストール(ゲーム用途)

一部のゲームはDirectXランタイムに依存しているため、DirectX End-User Runtime Web InstallerをMicrosoft公式から導入してください。

(9) システムの復元(最終手段)

エラーが発生する直前に復元ポイントがあるなら、システムの復元で以前の状態に戻すことも可能です。

DLLを外部サイトからダウンロードしてはいけない理由

「DLLダウンロードサイト」で個別に取得する方法も紹介されていますが、非常に危険です。改ざんされたファイルによりマルウェア感染する可能性があります。

必ずMicrosoft公式の再頒布可能パッケージを利用することが推奨されます。

FAQ:よくある質問

Q1. x86とx64どちらを入れれば良い?
→ 両方必要です。64bit環境でも32bitアプリ用にx86が必要です。

Q2. Visual C++を入れ直しても直らない場合は?
→ SFC/DISMでシステムファイルを修復してください。

Q3. 他のPCからDLLをコピーしてもいい?
→ 可能ですが、必ず信頼できるWindows 11環境からコピーしてください。

Q4. Windows Updateで直る?
→ 場合によっては直りますが、再頒布可能パッケージの手動インストールが確実です。

Q5. 新しいVisual C++を入れれば古いのはいらない?
→ いいえ。古いバージョンを必要とするアプリがあるため、複数を共存させる必要があります。

実際に多かった解決事例

ユーザーフォーラムやRedditに投稿された事例をまとめると、次のような解決法が特に効果があったとされています。

  • Visual C++ 2010/2012の再インストールで解決したケースが最多
    「msvcr100.dllが見つからない」と表示された人の多くは、2010再頒布パッケージを入れ直すことで解決しています。

  • SFC(システムファイルチェッカー)が有効だったケース
    「Visual C++を入れても直らなかったけど、sfc /scannowで修復できた」という報告も目立ちます。

  • DirectXを追加で入れたら改善したケース
    ゲーム専用タイトルでのエラーはDirectXランタイム不足が原因であることもあります。

  • ソフト単体の再インストールで直ったケース
    特定のアプリでのみDLLエラーが出る場合、そのアプリを入れ直すのが早道となることがあります。

注意すべき落とし穴

このエラー修復を試みる際に、多くの初心者が陥りやすい間違いがあります。

  • DLLダウンロードサイトから直接ファイルを拾ってくる

  • x64版だけを入れてx86版を忘れる

  • Visual C++を古いものから削除してしまう

これらは逆にエラーを悪化させる原因となります。複数のVisual C++ランタイムを併存させることが正しい状態ですので、不要に削除しないよう注意が必要です。

ビジネス利用や企業環境での影響

このエラーは一般ユーザーだけでなく、企業環境でも発生することがあります。特に業務ソフトや古いシステムがVisual C++ 2010/2012を依存先にしている場合、DLL欠損で業務が止まることもあります。

企業利用者への推奨対処

  • グループポリシーでWindows Updateを最新に保つ

  • Visual C++ Redistributableのインストーラーを社内配布できるよう用意しておく

  • 定期的にSFC/DISMでシステムの健全性を確認する

今後の展望とマイクロソフトの対応

マイクロソフトは過去の累積更新プログラムにおいて、Visual C++ランタイムの互換性を維持してきました。しかし、古いソフトが新しいランタイムに対応していない場合は依然として旧バージョンが必要です。

将来的には「Microsoft Store」や「Windows Package Manager(winget)」を通じて、必要なランタイムが自動で導入される仕組みがさらに強化されると予想されます。

フォーラム風コメント欄:あなたの環境では?

「2010と2012の両方を入れ直したら一発解決!」
「再インストールしても直らなかったけど、SFCで修復できた」
「業務ソフトで出たけど、公式ランタイムを配布して解決した」
「DLLサイトで落としたらウイルスにやられた…二度とやらない」

あなたのPCではどの方法が有効でしたか? ぜひコメントで体験談を共有してください。

まとめ

  • msvcr100.dll → Visual C++ 2010に依存

  • msvcr110.dll → Visual C++ 2012に依存

  • 最優先は公式ランタイムの再インストール

  • それでも直らない場合は SFC/DISM・DirectX・アプリ再インストール を試す

  • DLLを外部サイトから取得するのは危険

DLLエラーは焦らず、Microsoft公式の手順で解決することが最も安全です。