エラー大全集

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Nintendo Switchで「セーブデータお預かりエラー」が出た時の正しい対応法と上書き確認画面の意味


久しぶりにSwitch本体を起動したら、画面に「セーブデータお預かりでエラーが発生しました」と出て焦った――そんな経験をしたことがある人、多いのではないでしょうか。

とくに最近、「Switch 2(仮称・次世代機)」を購入して以降、旧Switchの方をあまり起動していなかったという人の間で、マインクラフトなど一部のタイトルだけがバックアップに失敗するという報告が増えています。

今回のケースもまさにそれです。
質問者さんは、新しいSwitch 2をメインに使うようになっていて、久々に旧Switchの方でMinecraftを開いたところ、クラウドバックアップ機能がエラーを出してしまったとのこと。
他のゲームは正常に同期されているのに、Minecraftだけが弾かれてしまう――いったいなぜこうなるのか。そして、「本体のセーブデータを上書きしますか?」というあの怖いメッセージは、押していいのか。

この記事では、任天堂の公式仕様に基づいて、「上書き」操作の意味と注意点をわかりやすく解説していきます。
中学生でも理解できるよう、できるだけ専門用語を避けて説明しますね。

「セーブデータお預かり」とはそもそも何をしている機能なのか

まず前提として、「セーブデータお預かり」はNintendo Switch Online(ニンテンドースイッチオンライン)に加入しているユーザー向けのクラウド保存機能です。
この機能をオンにしておくと、Switch本体で遊んだデータが自動的にインターネット上(任天堂のクラウドサーバー)にアップロードされます。
もし本体を紛失したり壊したりしても、クラウドに保存されたデータを別のSwitchにダウンロードすれば、続きからプレイできるという仕組みです。

つまり、「お預かり」とは、任天堂のサーバーがあなたのセーブデータを“保管してくれている”状態。
バックアップ機能の一種ですが、すべてのゲームが対応しているわけではありません。

Minecraftの場合は「クラウドセーブ」に対応しており、オンライン加入者なら自動でバックアップされるようになっています。
しかしここで注意が必要なのは、クラウドのデータは“本体のデータとは別物”であるという点です。
この2つのデータは、更新日時が異なることがあり、どちらを“正”とするかを選ぶ必要が出てくるのです。

エラーが出る原因:マインクラフトだけ失敗する理由

では、なぜ他のゲームではうまく同期できているのに、Minecraftだけ「セーブデータお預かりエラー」が出るのでしょうか。
その理由はいくつか考えられますが、主な原因は次の3つです。

1つ目は、マイクラのセーブデータ構造が特殊なこと。
Minecraftはワールドデータや設定ファイルを内部で複数のフォルダに分けて保存しています。
しかも1つのワールドが数百MB以上になることもあるため、アップロードの途中で通信が切れると失敗しやすいのです。

2つ目は、Switch 2側と旧Switch側のセーブ時刻がずれていること。
Switch 2で最近プレイしていた場合、クラウド側のデータがSwitch 2基準で更新されています。
その状態で旧Switchを起動すると、「本体にあるデータ(古い)」と「クラウドにあるデータ(新しい)」が食い違うため、同期が止まるのです。

3つ目は、ネットワーク設定のタイムスタンプずれ。
Switchは内部時計でデータの更新日時を管理しています。
久しぶりに起動した旧Switchは、時刻がずれていることが多く、クラウドサーバーとの整合性チェックでエラーを出すことがあります。

実際に今回の画面を見ると、

  • クラウドデータが「2025年9月25日 23:44」

  • 本体データが「2025年11月3日 1:29」
    となっており、本体の方が新しい状態です。

このときに「本体のセーブデータを上書きする」を選ぶと、古いクラウドデータ(9月25日)で本体の新しいデータ(11月3日)を上書きすることになります。
言い換えると、9月25日以降に遊んでいた内容が消える可能性があるということです。

「本体のセーブデータを上書きする」ボタンの本当の意味

この確認画面がややこしいのは、「上書き」という言葉の対象がわかりにくいからです。
結論から言えば、この操作はクラウドデータを本体にコピーする動作です。
つまり、クラウド(サーバー側)の内容を優先し、今の本体データを消して置き換える、という意味です。

画面内の矢印が「雲 → Switch本体」になっているのはそのためですね。

このときの動作を図で説明すると、以下のようになります。

  • クラウド:2025年9月25日時点のデータ(古い)

  • 本体:2025年11月3日時点のデータ(新しい)

  • 「上書きする」を押す → クラウドデータが本体にダウンロードされ、本体側のデータは消える

したがって、もし本体の方が新しくて、クラウドの方が古い場合は、上書きしてはいけません。
逆に、本体のデータが壊れている・起動できない場合には、「上書きする」で復旧できる可能性があります。

任天堂の公式サポートでも、担当者がこの画面を見ながら「どちらの方が新しいか」を必ず確認してくれます。
もしあなたが今そのサポート対応中であれば、サポート担当の案内に従って進めれば安全です。

ただし、自分一人で判断する場合は、クラウドの日付が古いときはキャンセルが鉄則です。
上書き後は取り消しができず、消えたデータを戻すことは不可能だからです。

では、上書きしなかったらどうなるのか

キャンセルを選んだ場合、Switch本体には現在のデータがそのまま残ります。
その代わり、クラウド側との同期が止まっているため、自動バックアップが再開されません。

この状態のままSwitch 2を使い続けると、「2台で異なるセーブデータを持っている」状態になり、次に同期を行うときに再び同じ警告が出ます。
つまり、「どっちのデータが正しいか」を選ぶタイミングがまた来るのです。

安全なのは、まず本体側のデータをローカルでバックアップ(コピー)しておくこと。
Minecraftの場合は「ワールドをエクスポート」機能を使えば、microSDカードに保存できます。
それを取ってから上書きすれば、最悪の場合でも復元が可能になります。

「上書きしても安全なケース」と「絶対に押してはいけないケース」

ではここから、実際に「上書きして大丈夫な場合」と「危険な場合」を具体的に分けて説明していきましょう。
この判断を誤ると、大切なワールドデータが永久に失われる可能性もあるので、ひとつずつ丁寧に見ていきます。

【上書きしても安全なケース】

1つ目は、クラウド側のデータが本体より新しい場合です。
つまり、Switch 2で最近まで遊んでいて、旧Switchにはしばらく触っていなかったというパターン。

この場合、クラウド(=Switch 2で遊んでいた時点のデータ)が一番新しいため、
「上書きする」を押しても、最新のプレイ内容で旧Switchが更新されるだけです。

たとえば、

  • クラウドのバックアップ日時:11月3日

  • 本体のデータ日時:9月25日

となっていれば、「上書きしても安全」です。
旧Switchの中に古いワールドデータが残っているだけなので、上書きすれば同じ状態に揃えられます。

もう一つの安全パターンは、本体側のセーブデータが破損して起動できないときです。
Minecraftに限らず、セーブデータが壊れるとワールド選択画面で「読み込みエラー」や「破損しています」と出ることがあります。
その場合、クラウド上のデータをダウンロードして上書きすれば、以前の正常な状態を復旧できます。

任天堂のサポートでも「本体で起動できないが、クラウドにはバックアップがある」と確認されたケースでは、上書き復旧を推奨しています。

【絶対に押してはいけないケース】

逆に「上書きしてはいけない」代表的なパターンは、今回のように本体データの方が新しい場合です。
たとえば、

  • クラウドデータ:2025年9月25日

  • 本体データ:2025年11月3日

この状態で「上書きする」を押すと、9月25日当時のデータが本体にコピーされ、本体の11月3日までの進行内容がすべて消えます。
この削除は取り消しができません。
再びクラウドにアップロードし直しても、もう11月3日のデータは戻りません。

また、マインクラフトでSwitch 2と旧Switchを交互に使っている人は特に注意が必要です。
両方で別々にワールドを進めている場合、クラウドがどちらのデータを「最新」と判断するかが曖昧になるため、誤って古いデータで上書きしてしまうことがあります。

もしこの状態になった場合は、焦らず次の手順を取りましょう。

(1) 「キャンセル」を押して操作を中止する。
(2) 旧SwitchでMinecraftを起動し、ワールド一覧を開いて「エクスポート」機能でデータをmicroSDカードにコピーする。
(3) コピーを取ったあとで、「本体のセーブデータを上書きする」を選ぶ。

これで、もし上書き後に問題が起きても、エクスポートしたワールドから復元することが可能です。

クラウドセーブエラーを再発させないための設定チェック

マインクラフトのセーブデータは容量が大きいため、ネットワーク環境や設定によってはクラウド同期が不安定になりがちです。
以下のチェック項目を確認しておくと、次回から同じエラーを避けやすくなります。

① インターネット接続を安定化させる
通信速度が遅いと、バックアップ途中でタイムアウトが発生します。
Wi-Fiではなく、有線LANアダプターを使うと成功率が上がります。

② 本体の時刻を自動更新に設定する
長期間電源を切っていたSwitchは時計がズレます。
「設定」→「本体」→「日付と時刻」→「インターネットで時間をあわせる」をONにしておきましょう。

③ セーブデータお預かり設定を再確認する
「設定」→「データ管理」→「セーブデータお預かり」→「自動バックアップ」をONにします。
Minecraftの欄に「エラー」マークがついている場合は、一度OFF→ONに切り替えると再同期が始まります。

④ Switch 2側で自動同期を行う前に旧Switchのバックアップを更新する
両方の本体を使う場合は、先に旧Switchをネットにつないでクラウドにアップロードしてから、Switch 2でプレイを再開します。
これでどちらか一方のデータが古い状態になることを防げます。

任天堂サポートとのやり取りで知っておくと安心なポイント

もしサポートに連絡している場合、担当者が確認するのは主に以下の3つです。

  1. クラウドと本体のデータの更新日時

  2. クラウド上のデータサイズ(MB単位)

  3. セーブデータが破損していないかの状態

担当者はクラウド側のデータが最新であることを確認したうえで「上書きしてください」と案内するので、その指示で進めるなら安全です。
ただし、ユーザー自身で判断する場合は、日付を見比べることが最重要ポイントです。

クラウドの方が古いならキャンセル。
クラウドの方が新しいなら上書きOK。
これを覚えておくだけで、ほとんどの事故は防げます。

実際の復旧手順まとめ(安全に行うための流れ)

(1) Switchの電源を入れ、ネットワークが接続されていることを確認する。
(2) ホームメニュー → 設定 → データ管理 → セーブデータお預かりへ。
(3) Minecraftを選び、「バックアップをダウンロード」を開く。
(4) 画面の日時をチェックする。クラウドの日付が新しければ「上書きする」、古ければ「キャンセル」。
(5) もし迷った場合は、まずmicroSDカードにエクスポートしてから実行する。

これで、どちらのパターンでもデータを安全に守ることができます。

今後のために覚えておきたいセーブデータの管理法

Switch 2が普及し始め、2台持ちでデータを共有する人が増えています。
そのぶん、クラウド上の同期競合も起こりやすくなっているのが現状です。

マインクラフトなどデータの大きいタイトルは、**「自動バックアップに頼りすぎない」**ことが大切です。
ときどき手動でバックアップを確認したり、ワールドをエクスポートしておくことで、思わぬトラブルに備えることができます。

もし同じように困っている人がいたら、コメント欄で「どんな状況でエラーが出たか」「上書き後にどうなったか」を教えてください。
実際のユーザー事例が集まるほど、ほかのプレイヤーの助けになります。

まとめとして覚えておくことは1つ。
クラウドの日付を見て、どちらが新しいか確認する。
それが「上書きしていいかどうか」を決める唯一の基準です。

あなたのワールドを守るのは、ほんの数秒の確認から。
そして、もし迷ったときは必ずサポートの案内に従いましょう。
それが一番確実で安全な方法です。