
ソフトバンク光からドコモ光に切り替えたのに、「回線は同じだから速度は変わらない」と聞いていたのに実際は激遅──。
 有線LANでも5Mbps前後、スマホのWi-Fiも3〜4Mbpsしか出ないとなると、これは確かにおかしいですよね。
そして、ルーターは「andline for ドコモ光」から無料貸与されたBUFFALO WSR-1500AX2L。
 取扱説明書通りに設定しても進まず、サポートにも繋がらない……。
 在宅勤務の方なら、業務用PCがIPv4専用でつながらないなど、死活問題だと思います。
この記事では、まさにあなたと同じように**「ドコモ光に変えたら速度が急に落ちた」**というケースで多発しているトラブルの原因と、すぐにできる解決策を整理して説明します。
- まず結論から:原因は「IPv4(PPPoE)」接続になっている
 - 速度が落ちる仕組み(ざっくり解説)
 - 初期設定の流れが引き起こす“罠”
 - 今出ている速度の目安で分かる接続方式
 - IPv6(v6プラス)を正しく有効化するための手順
 - 会社PCがIPv4専用の場合の対応策
 - サポートに電話が繋がらないときの裏ルート
 - 最後に:今回のような速度低下は「設定」より「接続方式」の問題
 
まず結論から:原因は「IPv4(PPPoE)」接続になっている
ドコモ光やandline(アンドライン)が現在提供している高速通信は、**IPv6(IPoE方式/v6プラス)**という新しい通信経路を使う仕組みになっています。
一方、あなたが初期設定で入力した「IPv4アカウント(ユーザー名とパスワード)」は、旧来のPPPoE接続に切り替わってしまう設定です。
これを行うと、せっかくIPv6が開通していても、ルーターが「古い経路(PPPoE)」でしか通信しなくなり、結果として速度が一気に落ちるのです。
速度が落ちる仕組み(ざっくり解説)
- IPv4 PPPoE接続:
古い方式。1本のトンネル回線をみんなで共有するため、夜間などに5〜30Mbpsまで低下する。 - IPv6 IPoE(v6プラス)接続:
新しい経路で、プロバイダから直接通信する方式。300〜700Mbps以上出るのが一般的。 
現在、andlineやドコモ光ではこの「IPv6 IPoE」が標準になっており、PPPoEを使うのは手動設定時だけです。
つまり今回のケースは、
 あなたのルーターがIPv6モードではなくIPv4(PPPoE)モードで固定されてしまっているのが原因で、通信が遅いのです。
初期設定の流れが引き起こす“罠”
BUFFALOルーターの自動セットアップは、本来であれば
 「回線自動判別 → v6プラス検出 → 自動接続」
 と進むはずですが、andlineが貸与するモデルでは設定画面が少しカスタマイズされています。
そのため、初回に「回線判別中 → 進まない → 手動入力に切り替える」と進むと、
 IPv4のID入力画面が出てしまい、ここでPPPoE接続に固定されるという罠にはまります。
この挙動はあなたの操作ミスではなく、セットアップ画面の仕様上の問題に近いです。
 実際、同じ機種+andline契約者の間でも同様の報告がSNSや価格.com掲示板で多数出ています。
今出ている速度の目安で分かる接続方式
| 
 接続方式  | 
 速度の目安(有線)  | 
 特徴  | 
| 
 IPv4(PPPoE)  | 
 3〜100Mbps  | 
 回線混雑で遅くなる/夜間に低下  | 
| 
 IPv6(v6プラス)  | 
 200〜800Mbps  | 
 安定して速い/設定不要が原則  | 
あなたの現在の速度(5Mbps→IPv6後90Mbps)は、まさに「PPPoE接続を経由しているIPv6風接続」状態。
 IPv6開通申請は通っていても、ルーターがIPv4経路を使っているというパターンです。
IPv6(v6プラス)を正しく有効化するための手順
ここからは、あなたのBUFFALOルーター「WSR-1500AX2L」で
 誤ってPPPoE接続になっている状態を解除し、IPv6(IPoE)モードに戻す方法を説明します。
 設定自体は簡単で、慣れれば5分ほどで終わります。
(1) ルーターの管理画面にアクセス
- パソコンまたはスマホを、ルーターのWi-Fiに接続します。
 - ブラウザを開いて、アドレス欄に次を入力:
http://192.168.11.1 - ログイン画面が出たら、
ユーザー名:admin
パスワード:admin(またはルーター背面のラベルに記載) 
(2) 「インターネット接続設定」を開く
メニューの「詳細設定」 → 「インターネット」 → 「Internet(インターネット)」を選びます。
 ここで「接続先情報」が 「PPPoE」 になっていれば、今まさに速度の遅い経路を使っている状態です。
(3) PPPoE設定を削除
- 「接続方式:PPPoE」と表示されている行を削除(または無効化)します。
 - 「接続先なし」になったらOKです。
 
(4) IPv6(IPoE)モードをONにする
- 同じ画面で「IPv6(IPoE)機能を使用する」にチェックを入れます。
 - プロバイダがandline for ドコモ光であれば、自動判別でv6プラス接続が有効化されます。
 - 設定を保存してルーターを再起動。
 
(5) ルーター再起動後の確認
再起動して数分後、「INTERNET」ランプが**青く点灯(もしくは緑で安定)**していればOK。
 この状態で通信速度を測定すると、
 有線で300〜600Mbps程度、無線で150Mbps前後出るはずです。
(もしランプがオレンジで点滅している場合は、v6プラス認証が通っていない可能性があるので、andlineのマイページで「v6プラス開通済み」になっているかを再確認してください。)
会社PCがIPv4専用の場合の対応策
IPv6を有効化すると、ほとんどの通信は自動的に「IPv4 over IPv6(MAP-EまたはDS-Lite)」という仕組みでカバーされます。
 そのため、会社PCが「IPv4限定設定」でも問題なく通信できることが多いです。
もし会社のVPNソフトなどがIPv6経由を嫌う場合は、以下の方法を試してください。
● 対策1:ルーターの「IPv4通信優先設定」をONにする
WSR-1500AX2Lでは、「IPv4優先モード」が存在します。
 管理画面 → 「詳細設定」→「IPv6」→「IPv4 over IPv6の設定」内に「IPv4優先で通信する」をONに。
これで、企業VPNなどの旧式接続でも安定します。
● 対策2:VPNをIPv4 over IPv6対応に切り替える
もし在宅勤務先のネットワークが古い設定(固定PPPoE)になっている場合は、
 IT担当に「v6プラス対応ルーター環境からVPN接続しても問題ないか」確認するのも一手です。
サポートに電話が繋がらないときの裏ルート
andlineのサポートは非常に混雑していますが、
 ドコモ光の総合サポート(0120-800-000)→プロバイダ部門に回してもらうと、早く繋がる場合があります。
電話で伝える内容のポイント:
「andline for ドコモ光を利用中で、BUFFALOルーターがPPPoEでしか繋がらずIPv6にならない」
この一文で、技術サポート担当が直接案内してくれます。
最後に:今回のような速度低下は「設定」より「接続方式」の問題
あなたの操作は間違っていません。
 andline提供ルーターの初期設定がPPPoE画面を優先表示してしまう仕様が原因で、
 せっかくのIPv6(v6プラス)開通が活かされていなかっただけです。
ルーターをIPv6モードに切り替えれば、
 本来のドコモ光(NTTフレッツ網)らしい高速通信――有線で300〜800Mbps――が戻るはずです。
まとめ
- 現在の遅さは「PPPoE接続」になっていることが原因
 - IPv6(v6プラス)接続に切り替えれば劇的に改善
 - BUFFALOルーターの管理画面でPPPoEを削除し、「IPv6を使用する」を有効化
 - IPv4専用PCも「IPv4 over IPv6」で通信できる
 - サポートに繋がらなくても自力で設定可能
 
これで在宅勤務も快適に戻るはずです。
 もし速度が上がらない場合は、「v6プラスが開通済みか」「ルーターが古いファームウェアのままではないか」を再チェックしてください。