エラー大全集

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【突然ネットが繋がらなくなった】VDSL・Atermルーターの「ACTIVEランプ消灯」で接続不能になった時の原因と対処法(ぷらら光編)


「昨日まで普通にネットが使えていたのに、今朝からまったく繋がらない。」

──こうしたトラブル、特にVDSL(マンションタイプの光回線)+Atermルーターを使っている環境では、実はよく起こります。

あなたの状況を整理すると、

  • 回線:ぷらら光(NTTフレッツ網)

  • 接続:VDSLモデム → Aterm WG1200HS4 → PC(有線+Wi-Fi)

  • 症状:
     ・「突然」ネットが途切れた
     ・VDSLモデムのランプは全点灯(異常なし)
     ・Atermの「ACTIVE」ランプが消灯
     ・LAN・電話線を新品に交換済
     ・「モデムからエラーが返されました」とエラーメッセージ

さらに、プロバイダー(ぷらら)への料金未払いもなく、機器の電源をすべて入れ直しても復旧しない。

この症状の特徴から、**配線の断線や故障ではなく「認証経路の途絶」または「接続方式の不一致」**が起きている可能性が非常に高いです。

まず最初に押さえるべきこと:VDSLの「正常ランプ=ネットが通っている」ではない

VDSL装置(マンションの電話線経由で光信号を変換する機器)のランプが正常でも、
それはあくまで「建物内の電話線〜局舎までの物理回線が生きている」だけを示しています。

つまり、

  • 光回線そのものは生きている

  • しかし、プロバイダーとの認証が失敗している
    この2段階目で止まっている、というのが今回の典型的パターンです。

Aterm WG1200HS4 の「ACTIVE」ランプが消えている意味

Atermシリーズのインジケーターのうち、「ACTIVE」ランプは
インターネット通信(PPPoEセッション)が確立しているかどうかを表しています。

  • 点灯:プロバイダとの通信が確立済(インターネット接続OK)

  • 点滅:通信中または接続試行中

  • 消灯:通信が確立していない(=ネット未接続)

したがって、今の「ACTIVEランプ消灯」状態は、
ルーターがVDSL装置を経由してもプロバイダのサーバーに接続できていないという意味になります。

考えられる原因を整理すると

  1. ぷらら光の接続情報(ID/パスワード)がルーターから消えた
     → 停電・アップデート・リセットなどで初期化されることがあります。

  2. ぷらら側のPPPoEサーバー障害(認証エラー)
     → タイミング的に「朝方突然切れた」なら、局舎メンテナンスの可能性もあります。

  3. VDSLモデム~ルーター間の通信不一致(WAN設定不良)
     → IPv6モードの有効化・PPPoE方式の衝突などでルーターが信号を正しく送れていない場合。

  4. VDSL装置自体の経年劣化・リセット不全
     → 表面上ランプは点灯していても、通信層が不安定なケースがあります。

状況から見える“ヒント”

  • 「モデムからエラーが返されました」というエラーメッセージは、
     → モデムまでは信号が届いているが、その先のISP(ぷらら)サーバーに接続できていないことを意味します。

  • LANケーブル・電話線を変えても改善しないことから、
     → 配線物理障害の可能性はほぼゼロ。

つまり、今回の本質的な問題は、
**「認証経路が確立できない(ID・パスワードまたはPPPoE通信の断絶)」**です。

復旧に向けた実践的な手順

「物理的な断線」ではなく、「認証(ID/パスワード)や接続方式の不一致」が原因の可能性が高いため、
以下の手順を上から順に確認してください。

(1) ルーターの接続設定を再確認(ぷららのID・パスワード再入力)

  1. パソコンをルーター(Aterm WG1200HS4)に有線LANで接続します。

  2. ブラウザを開いて、アドレス欄に http://192.168.10.1 と入力します。

  3. ログイン画面が出たら、ユーザー名:admin、パスワード:本体裏の記載を入力。

  4. 上部メニューの「基本設定」→「接続先設定」→「接続先1(またはぷらら)」を開きます。

  5. ぷらら光の接続ID・パスワードを再入力してください。

 ※IDは「xxxxx@plala.or.jp」形式です。
 ※パスワードは、ぷらら登録証(書面やマイページ)に記載があります。

  1. 入力後、「保存」→「接続」→「再起動」を行います。

再起動後、「ACTIVE」ランプが点灯すれば復旧成功です。

(2) ぷららのv6エクスプレス(IPv6 IPoE)開通済みかを確認

ぷらら光は「IPv6 IPoE接続(v6エクスプレス)」を提供しています。
もし最近ルーター設定をいじって「IPv6モードをOFF」にしていた場合、
IPv4 PPPoEで接続できずに“モデムエラー”になることがあります。

確認方法:

  1. Aterm設定画面 → 「詳細設定」 → 「IPv6」タブを開く。

  2. 「IPv6機能を使用する」がONになっているか確認。

  3. 「IPv6ブリッジ機能を使用する」もON推奨。

もしOFFになっていた場合はONにして保存し、ルーターを再起動します。

これでぷららの「v6エクスプレス」経由で自動接続されるはずです。

(3) ルーターを工場出荷状態に戻す(初期化)

それでも改善しない場合、ルーター内部の設定が破損している可能性があります。
Atermの背面にある「リセットボタン」を10秒ほど長押しして初期化します。

その後、以下のように設定し直してください。

  1. 初期化後、ブラウザで自動設定画面が開く。

  2. 「自動判別」を選択。

  3. 自動で回線を判別→ぷらら光のID・パスワードを求められたら入力。

  4. IPv6接続が検出された場合は「IPv6を使用する」を選択。

設定後に「ACTIVE」ランプが青く点灯すれば成功です。

(4) VDSLモデムのリセット

まれにVDSLモデム(黒い小箱)の内部がフリーズしている場合もあります。

  1. 電源を抜いて3分待つ。

  2. 電話線・LANケーブルを一度抜いて、再度正しい位置に差し込み。

  3. 電源を入れ直し、すべてのランプが点灯するのを確認。

それでも「ACTIVE」が消えたままなら、ルーター側の問題のままです。

(5) ぷららに“AIを介さず”人間オペレーターへ繋ぐ方法

ぷららの電話サポートは自動音声が長く、AIが回答してしまうことが多いですが、
次の手順で直接オペレーターに繋げます

  1. ぷららカスタマーセンター(009192-33-001)へ電話。

  2. 音声案内が流れたら、
     →「1(インターネット接続について)」
     →「9(その他)」を押す。

  3. 数分待つと、有人サポートへ転送されます。

その際に伝える内容は簡潔に:

「Aterm WG1200HS4でぷらら光を使用しています。突然接続できなくなり、“モデムからエラーが返されました”と表示されます。VDSLランプは正常ですが、ACTIVEランプが消えています。」

これで技術担当が回線状況を確認し、遠隔で「認証失敗」や「回線断」などを判定してくれます。

ここまでのチェックで復旧しない場合

  • ルーターまたはVDSLモデムの故障(電源は入るが通信層が壊れている)

  • 建物のVDSL集合装置側で信号が落ちている(管理会社・NTT工事対応が必要)

どちらも自宅での操作では直りません。
その場合は、**NTT回線故障受付(0120-000-113/年中無休)**に連絡し、
「VDSLの信号が届いているか調査してほしい」と依頼してください。

まとめ

  • VDSLランプ正常でも「ACTIVE」消灯=プロバイダ認証未確立

  • まずルーター設定画面でぷららID/パスワードを再入力

  • IPv6機能をONにし、v6エクスプレス経由で自動接続を試す

  • 改善しなければルーター・モデムをリセット

  • それでもダメならぷららまたはNTTに回線調査を依頼

突然の通信断は焦りますが、ACTIVE消灯はほぼ「設定か認証」の問題です。
ルーターを正しく再設定すれば、多くの場合その日のうちに復旧します。