
「所有者は自分のはずなのに、“探す”にAirTagが出てこない……」
 この現象、意外と多くのユーザーがハマっています。
 Apple公式サポートでも明確な説明が見つけづらく、ネット上では「再登録できない」「反応しない」「音が鳴らない」といった投稿が急増中です。
あなたのように「過去に一度オペレーター対応で再登録したことがある」ケースでは、AirTagの内部に残った古い所有者情報やハード的な不具合が原因であることがほとんど。
 ここでは、その構造的な理由と、実際に解決したユーザーの手順を整理して紹介します。
- AirTagは「1台1アカウント」の世界
 - 今回のようなエラーの特徴
 - 「リセットすればいい」は通用しないことも
 - では、再登録は一度しかできないのか?
 - ハード的リセットが成功していない可能性
 - 正しいリセット手順(音が鳴るか必ず確認)
 - それでも反応しない場合
 - Apple IDの再確認も忘れずに
 - それでもダメな場合の最終手段
 - まとめ:AirTag再登録は「成功条件が2つ」
 - コメント欄:あなたのAirTagはどうでしたか?
 
AirTagは「1台1アカウント」の世界
まず前提として、AirTagは1つのApple IDでしか登録できません。
 一度でも誰か(あるいは自分の別端末)が所有者として登録すると、そのAirTagは**「他のApple IDでは登録できない」**状態になります。
これは「盗難・追跡防止機能(Anti-Stalking)」の一部で、悪用を防ぐために、完全にAppleのサーバーとAirTag内部チップの間で暗号化された紐づけが行われているためです。
そのため、
- 持ち主が「探す」アプリから削除しないままAirTagをリセット
 - iPhoneを機種変更したが、旧端末側でAirTagを解除し忘れた
 - Apple IDを変更した、または二段階認証で別端末が優先になっている
 
といった場合、AirTagが「宙ぶらりん」状態になります。
 この状態だと、**新しい端末がAirTagを“認識はするけど登録できない”**という、まさにあなたのような現象が発生します。
今回のようなエラーの特徴
あなたの報告を基に整理すると、次の3点が典型的です。
1️⃣ 「持ち物を追加」では反応せず、
 2️⃣ 「見つかった持ち物を識別」では“原因不明のエラー”と表示、
 3️⃣ NFCでかざすと、**「このAirTagは登録済み/携帯番号の末尾が自分の番号」**と表示される。
→ つまり、AirTagはAppleのサーバー上では“あなたのもの”として認識されているが、現行端末とは紐づいていない。
これは「所有者データが解除されていないにも関わらず、AirTag自体がリセット済み」になっている中間的な状態。
 Apple公式でも再登録が困難なパターンとして扱われています。
「リセットすればいい」は通用しないことも
AirTagは公式手順で「リセット」できますが、
 実際には内部チップの電源リレーが完全に遮断されないと所有者情報が消えない仕様になっています。
特に、
- 電池の液漏れやサビで接点が劣化している
 - 5回押しのリセット時に「音が鳴らない」
 - 長期間バッテリーを外して放置していた
 
このような状態では、リセット操作が内部的に完了していない可能性があります。
つまり、「音が鳴らない=リセット信号が通っていない」。
 そのため、再登録を何度試しても、Apple側では「所有者が残っている」と判断され続けます。
では、再登録は一度しかできないのか?
結論から言うと、再登録は何度でも可能です。
 ただし、条件があります。
それは――
 AirTag内部から“所有者情報”が完全に消去されていること。
一度Appleサポートが遠隔で所有者データを解除してくれた場合でも、
 AirTagが再び電池を入れ直して起動した際に内部の通信が不完全だった場合、再び同じ「ロック状態」に戻ることがあります。
つまり、“1度限り”という制限はありませんが、リセットと解除が同時に成功する必要があるため、体感的には1度きりのように見えるわけです。
ハード的リセットが成功していない可能性
あなたのケースで特に気になるのは、**「電池の液漏れで音が鳴らない」という点です。
 AirTagのリセット時には、音が“ピッ”と鳴る瞬間に内部回路が短時間リセットされ、Appleサーバーとの暗号鍵が無効化されます。
 この音が鳴らない=信号が送られていない可能性が高く、結果として「外見上はリセット完了に見えるが、所有者情報は消えていない」**状態になっていることが多いです。
また、AirTagは非常に小さな電極で通電しており、液漏れや接触不良があると通信モジュールが動作しなくなります。
 そのため、内部的にはすでに“オフラインのまま登録済み”という状態に固定されてしまうのです。
正しいリセット手順(音が鳴るか必ず確認)
可能であれば、新しい電池(CR2032)を使って次の手順をゆっくり試してみてください。
 ※音が鳴らなければ、リセットは完了していません。
(1) AirTagの背面の銀色のカバーを押しながら反時計回りに回して外す。
 (2) 古い電池を取り出し、新しいCR2032を入れる。
 (3) 電池を押し込んで「ピッ」と音が鳴るのを確認する。
 (4) 音が鳴ったら電池を外す。
 (5) 上記(3)(4)を計5回繰り返す。5回目に装着して音が鳴ったらリセット完了。
 (6) カバーを閉めて、iPhoneをAirTagに近づける。
ここで再びペアリング画面(白いAirTagアイコンと「接続」ボタン)が出れば成功です。
それでも反応しない場合
リセットしても「探す」に出てこない場合、Appleサーバー側に所有情報が残っている可能性が高いです。
 このときは自力で解除できないため、Appleサポートに再度連絡して所有解除を依頼する必要があります。
サポートに伝えるべき内容:
- AirTagのシリアル番号(カバーを外した内部に印字)
 - 過去に同じAirTagで再登録サポートを受けた旨
 - 現在のApple ID(メールアドレス)
 - NFCで表示される登録電話番号の末尾が一致していること
 
この4点を伝えると、サポート側で「再ロック解除」の可否を確認してくれます。
 場合によっては、**端末交換(無償または有償)**の提案になることもあります。
Apple IDの再確認も忘れずに
まれに、iPhoneの「探す」アプリが別のApple IDでログインしているケースもあります。
 確認手順は以下の通り。
1️⃣ 設定 → 一番上の「Apple ID(あなたの名前)」をタップ。
 2️⃣ 「iCloud」→「探す」→「探すAppを使用する」がオンになっているか確認。
 3️⃣ Apple IDがAirTag登録時のものと同じかを確認。
別のIDになっていると、AirTagはそのアカウントにしか表示されません。
それでもダメな場合の最終手段
- 液漏れなどでAirTagが内部的に壊れている場合、修理は基本非対応です。
 - ただし、保証期間内(購入から1年)であれば、Apple Storeや正規サービスプロバイダで交換対応が受けられる可能性があります。
 
また、長期間経過している場合は、再登録よりも新しいAirTagへの買い替えが確実です。
 古いAirTagはサポートに渡せば、Apple側で安全にデータ消去してもらえます。
まとめ:AirTag再登録は「成功条件が2つ」
今回のようなケースで再登録ができるかどうかは、
 ①ハード的リセットが成功していること(音が鳴る)
 ②サーバー上で旧所有情報が解除されていること
 この2つが同時に成立したときにのみ、AirTagは再登録可能になります。
一度Appleが解除したAirTagでも、内部的にリセットが不完全だと再びロック状態に戻るため、
 「何度でもできる」けれど「成功しにくい」のが実情です。
コメント欄:あなたのAirTagはどうでしたか?
「音が鳴らなくて再登録できなかった」「Appleサポートで解除してもらえた」など、
 実際に解決した方の経験が他のユーザーの助けになります。
AirTagの再登録=ハードの信号+Appleの認証。
 この2つが揃わなければ、どんな設定をしても反応しません。
 焦らず、リセット音を確認してから、再度ゆっくり試してみましょう。