
ペネトレーションテスト(侵入テスト)の報告書作成ツール「PentestPad」は、セルフホスト型AIとMCP連携を活用し、顧客の脆弱性情報を外部のAIサービスへ送信せずに診断業務を支援できる仕組みを提供しています。
セキュリティ診断会社や企業の情報セキュリティ担当者にとって重要なのは、AIによる業務効率化と、機密性の高い診断データの管理を両立できることです。一方、クラウドAIへの無許可の情報入力は、顧客との秘密保持契約やデータ管理要件に抵触するリスクがあります。
本記事では、PentestPadの機能、MCPを使ったAIエージェント連携、情報漏えいを防ぐための構成、導入前の確認事項、運用時の注意点を整理します。なお、取得情報はサービスの機能とセキュリティ対策に関する解説であり、PentestPad自体の障害発生を報告するものではありません。
- PentestPadとは?AIを活用した侵入テスト報告書作成ツール
- クラウドAI利用で問題になる機密情報の外部送信リスク
- PentestPadのセルフホスト構成とMCP連携の仕組み
- PentestPadの主要機能と利用時の確認ポイント
- AIによる脆弱性レポート作成はどこまで自動化できる?
- PentestPad導入前に確認すべき設定と運用手順
- セルフホスト環境で注意したい更新・マルウェア検査・データ保持
- PentestPadが利用できない・AI連携が動かない場合の確認方法
- PentestPadの対応OS・導入形態・料金について
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:PentestPad導入ではAIの性能より情報管理の構成確認が重要
PentestPadとは?AIを活用した侵入テスト報告書作成ツール
PentestPadは、ペネトレーションテストで得られた診断結果や証拠資料を管理し、顧客向けの報告書作成を効率化するプラットフォームです。
従来、侵入テストでは検出した脆弱性、影響範囲、証拠画像、修正方法、再診断結果などを個別のファイルやスプレッドシートで管理するケースがあります。
PentestPadでは、プロジェクト管理、診断結果の記録、チーム内の共同作業、再テスト、報告書生成を一つの環境に集約できます。
利用対象は、顧客向けにセキュリティ診断を提供する企業だけではありません。社内システムを検査するセキュリティ部門や、複数の外部診断会社を管理する組織にも対応しています。
クラウドAI利用で問題になる機密情報の外部送信リスク
診断結果には攻撃に利用され得る情報が含まれる
ペネトレーションテストでは、通常の業務文書とは異なり、攻撃者に悪用される可能性がある詳細な情報を扱います。
具体的には、発見された未修正の脆弱性、ネットワーク構成図、診断対象の範囲、システム内で確認された認証情報、攻撃の再現手順などです。
これらをChatGPTやClaudeなどの外部AIサービスに入力すると、利用するサービスや契約・設定によっては、機密データが組織の管理領域外へ送信されます。
取得情報では、OpenAI、Anthropic、GoogleなどのクラウドAIを利用する際、顧客との秘密保持契約(NDA)やGDPR、HIPAAなどの要件との整合性が課題になると説明しています。
特に、従業員が個人アカウントでAIを利用している場合、企業側で情報の送信先や利用状況を把握しにくくなる点に注意が必要です。
AIを禁止するだけでは対策にならない
取得情報では、AIの使用を全面的に禁止するより、組織が承認した利用環境を提供することが重要だと説明しています。
担当者が作業時間を短縮するために非承認のAIサービスを使用すると、企業の管理外で顧客データが処理される可能性があります。
そのため、AIの利用可否だけでなく、利用するモデル、データの保存先、外部送信の有無、契約上の承認状況を明確にする必要があります。
PentestPadのセルフホスト構成とMCP連携の仕組み
PentestPadには、管理されたクラウドサービスとして利用する方式と、自社インフラ上で稼働させるセルフホスト方式があります。
セルフホスト方式では、ネットワークから隔離されたエアギャップ環境にも対応しています。また、文章生成アシスタントの接続先を組織内のローカルAIモデルに設定できます。
取得情報で紹介されている構成は、PentestPadを診断情報の管理基盤とし、ローカルLLM(大規模言語モデル)が推論を担当し、ターミナル側のエージェント実行環境が両者を連携させる仕組みです。
PentestPadの開発チームでは、Ollamaを通じてQwen3 Coderを利用し、OpenCodeまたはClaude Codeを実行環境として使用していると説明されています。
ただし、セルフホスト版を導入しただけで外部送信が自動的に防止されるとは限りません。実際のデータの送信先は、接続するAIモデルやネットワーク設定によって確認する必要があります。
MCPで14種類のツールをAIエージェントに提供
PentestPadはMCP(Model Context Protocol)を通じて、AIエージェントが管理データを操作できる機能を提供しています。
取得情報によると、MCPサーバーには14種類の型定義されたツールが用意されています。
プロジェクトや脆弱性情報の検索、テンプレートからの診断結果登録、再テスト後の修正状況更新、コメントの追加などが可能です。
情報の管理主体はPentestPad側に置かれ、エージェント自体は独自の状態を保持しない設計と説明されています。
この構成により、AIは単なる文章生成だけでなく、実際の診断プロジェクトや組織固有のテンプレートを参照しながら作業できます。
PentestPadの主要機能と利用時の確認ポイント
| 機能・項目 | 提供される内容 | 利用時の確認ポイント |
|---|---|---|
| 提供方式 | マネージドクラウド、セルフホスト、エアギャップ構成 | 顧客データの保存場所とネットワーク構成 |
| AIアシスタント | 診断結果の文章化、CVSS評価の支援 | 接続モデルとデータ送信先 |
| MCP連携 | 14種類のツールによる検索・登録・更新など | AIエージェントに許可する操作範囲 |
| 診断情報管理 | 脆弱性、影響資産、証拠、修正方法、履歴の管理 | 担当者と顧客の閲覧権限 |
| 報告書生成 | 独自テンプレート、DOCX・PDF、API連携 | 出力内容と機密情報の取り扱い |
| アクセス管理 | カスタムロール、個別権限、クライアントAPIキー | 最小限のアクセス権限設定 |
| マルウェア検査 | アップロードファイルの検査と危険ファイルの拒否 | セルフホスト環境での検査設定 |
| データ保持 | 非アクティブ案件の自動アーカイブ、定期削除 | 顧客契約に沿った保存期間 |
| 更新通知 | セルフホスト環境向けのバージョン確認通知 | 更新通知の確認と適用管理 |
複数の機能を組み合わせることで、診断開始から報告書の提出、修正確認までを一元管理できる構成となっています。
AIによる脆弱性レポート作成はどこまで自動化できる?
診断結果と証拠ファイルから報告文を生成
PentestPadの文章生成アシスタントは、診断担当者が収集したスキャナーの出力、Burpの検出結果、スクリーンショット、ログファイルなどを入力として扱えます。
これらの資料から、組織が指定した記述ルールやフォーマットに沿った脆弱性報告文を生成する仕組みです。
脆弱性の深刻度については、組み込みのCVSS計算機能を利用できます。AIアシスタントがCVSSベクトルの導出と各評価項目の説明を支援する機能も紹介されています。
ただし、生成された文章や深刻度の評価をそのまま確定するのではなく、診断担当者が実際の証拠や影響範囲と照合することが重要です。
過去の診断テンプレートを再利用
PentestPadには、脆弱性の説明、推奨される修正方法、CVSSベクトルなどを保存できるテンプレートライブラリがあります。
診断対象の分野ごとに絞り込み、過去に整理した情報を新しい診断結果へ反映できます。
担当者は共通部分の入力作業を減らし、対象システム固有の影響や証拠の確認に時間を割けます。
DOCX・PDF形式の報告書を生成
報告書は、企業が用意した独自テンプレートから生成できます。
目次、グラフ、表、相互参照は診断情報をもとに構成され、ブラウザーでのプレビューにも対応しています。
Webアプリケーション診断とネットワーク診断など、複数領域の結果を一つの報告書にまとめることも可能です。
APIを通じた自動生成や、出力PDFへのパスワード設定にも対応しています。また、既存の報告書内のDOCX・PDFファイルを、全体を再生成せずに差し替える機能もあります。
PentestPad導入前に確認すべき設定と運用手順
セルフホストAIを導入する際は、AIの性能だけでなく、データの取り扱い、アクセス権限、更新管理を確認する必要があります。
- 顧客契約とデータ管理条件を確認する。診断結果を外部サービスに保存・送信できるか、外部事業者の承認が必要かを確認します。
- 利用方式を選択する。クラウド版またはセルフホスト版のどちらが組織の要件に適合するかを検討します。ネットワーク分離が必要な場合は、エアギャップ構成の適用を確認します。
- AIモデルの接続先を設定する。外部送信を避ける必要がある場合は、組織内で運用するモデルを指定し、推論処理時の通信先を検証します。
- MCP連携の操作権限を確認する。AIエージェントが検索・登録・更新できる情報を把握し、不要な操作権限を付与しないようにします。
- 利用者の権限を設定する。Pentester、Manager、Adminなどの既定ロールやカスタムロールを使用し、担当業務に必要な権限を割り当てます。
- アップロード検査を確認する。セルフホスト環境ではマルウェア検査が任意設定とされているため、運用方針に応じて有効化を確認します。
- 保存期間と更新管理を設定する。プロジェクトの自動アーカイブ、報告書の削除スケジュール、バージョン更新通知の運用を決めます。
- 機密性の低いテストデータで動作確認する。レポート生成、MCP操作、権限制御、外部通信の状態を確認してから、実際の顧客情報を扱います。
これらは取得情報に記載された機能をもとに整理した導入時の確認手順です。具体的な設定画面や設定コマンドは取得情報に含まれていないため、実際の構築時には製品の導入資料との照合が必要です。
セルフホスト環境で注意したい更新・マルウェア検査・データ保持
バージョン更新通知と運用状況
PentestPadのセルフホスト環境では、バージョン確認用エンドポイントを参照し、更新通知を表示する仕組みが説明されています。
ただし、更新通知が存在することと、更新プログラムが自動適用されることは同じではありません。
運用担当者は、通知が届く構成になっているか、更新が必要な場合に誰が対応するかを確認する必要があります。
取得情報には特定バージョンの障害、サービス停止、修正プログラムの公開日などは記載されていません。
マルウェア検査の設定差に注意
PentestPadはアップロードされたファイルのマルウェア検査に対応し、危険と判定されたファイルのアップロードを拒否できます。
マネージドサービスでは検査が常時有効ですが、セルフホスト環境では任意設定とされています。
さらに、必要な権限を持つ利用者は、検査で検出されたファイルでもアップロードを許可できる仕組みがあります。
診断業務ではマルウェア検体を扱うことも考えられるため、例外操作を認める担当者と対象ファイルの管理方法を明確にしておくことが重要です。
報告書の保管期間と削除ルール
PentestPadには、利用されなくなったプロジェクトを自動的にアーカイブする機能があります。
アーカイブされた報告書についても、設定したスケジュールに基づいて削除できます。
一方、削除スケジュールを設定できることは、バックアップや他の保存先も含めてすべての情報が削除されることを保証するものではありません。
顧客との契約で保存期間や削除条件が定められている場合は、実際の保存先とデータ管理範囲を確認してください。
PentestPadが利用できない・AI連携が動かない場合の確認方法
取得情報には具体的な障害事例やエラーコードは記載されていませんが、紹介されている構成から、問題が発生した場合に切り分けるべき要素を整理できます。
画面にアクセスできない場合
セルフホスト版では、PentestPad本体が稼働するサーバー、利用者のネットワーク接続、認証設定を確認することが基本になります。
マネージドクラウド版では、組織のネットワーク環境とサービス側の状態を分けて調査する必要があります。
ただし、取得情報には公式の稼働状況確認ページや具体的な復旧手順は示されていません。
AIアシスタントが応答しない場合
ローカルAIを利用する構成では、PentestPad本体、AIモデル、エージェント実行環境がそれぞれ異なる役割を持ちます。
そのため、AIモデルの稼働状況、PentestPadからの接続設定、使用する実行環境の状態を個別に確認することが切り分けの出発点になります。
取得情報ではOllama、Qwen3 Coder、OpenCode、Claude Codeを使用した構成が紹介されていますが、これらすべてを必須とする記載ではありません。
AIエージェントが診断結果を更新できない場合
PentestPadのMCP連携では、プロジェクト検索、脆弱性登録、修正状況の更新など、複数の操作が提供されています。
操作に失敗した場合は、対象プロジェクトへのアクセス権限、エージェントが実行しようとしている操作、利用者に許可された権限を確認する必要があります。
なお、これらは機能構成から整理した一般的な確認ポイントであり、特定の不具合に対する公式な回避策ではありません。
PentestPadの対応OS・導入形態・料金について
PentestPadには、AIエージェントを利用するためのコマンドラインツールも用意されています。
取得情報では、macOS、Linux、Windowsに対応していると説明されています。
このエージェントには、Web、ネットワーク、偵察、API、モバイルテストに対応する専門機能と、方法論やツール選択を支援する一般向け機能を含む、6種類のカスタマイズ可能な専門エージェントが搭載されています。
また、セルフホスト方式はすべての料金プランで利用可能とされています。
ただし、各プランの具体的な価格、利用人数制限、必要なサーバースペックは取得情報に記載されていません。
導入費用を検討する場合は、製品利用料だけでなく、セルフホスト用インフラ、AIモデル実行環境、運用管理の負担も含めて比較する必要があります。
よくある質問(FAQ)
Q. PentestPadで実際に障害が発生したのですか?
今回の取得情報はPentestPadの機能とAI利用時のセキュリティ課題を紹介した内容です。特定のサービス障害、停止時間、復旧完了などを報告する記載はありません。
Q. PentestPadではChatGPTやClaudeを使わずにAI機能を利用できますか?
はい。取得情報によると、AIアシスタントの接続先を自社ネットワーク内のセルフホスト型モデルに設定できます。実際に外部送信を防ぐには、利用環境全体の通信設定を確認する必要があります。
Q. PentestPadのMCP連携では何ができますか?
プロジェクトや脆弱性の検索、テンプレートを利用した診断結果登録、再テスト後の修正状況更新、コメント追加などの操作ができます。取得情報では14種類のツールが提供されていると説明されています。
Q. セルフホスト版でもマルウェア検査は利用できますか?
はい。ただし、マネージドサービスでは常時有効なのに対し、セルフホスト版では任意設定となっています。導入時に有効化状況を確認してください。
Q. 報告書を外部に送信せずに作成できますか?
PentestPad本体とAIモデルを組織内に配置する構成が紹介されており、顧客情報を外部AIサービスへ渡さずに処理する運用を想定しています。ただし、実際の通信経路や保存先を検証したうえで運用する必要があります。
Q. 報告書はどの形式で出力できますか?
取得情報では、DOCXやPDF形式による報告書出力に対応しています。また、プロジェクトデータなどはXLSX形式やAPI経由でのエクスポートにも対応すると説明されています。
まとめ:PentestPad導入ではAIの性能より情報管理の構成確認が重要
PentestPadは、侵入テストに関する診断結果の管理、AIによる文章生成、MCPを使ったエージェント操作、報告書の自動生成を組み合わせたプラットフォームです。
特にセルフホスト型AIに対応している点は、外部クラウドへの顧客情報の送信を制限する必要があるセキュリティ診断会社にとって重要な選択肢となります。
導入を検討する場合は、顧客データの保存場所、AIモデルの接続先、MCPの操作権限、マルウェア検査、データ保持期間、更新管理を優先的に確認してください。
AIによる自動化で診断業務を効率化する一方、生成結果の正確性や、顧客との契約に沿った情報管理については、引き続き組織側の確認と管理が必要です。
今回の情報は機能紹介を中心としたものであり、PentestPadの障害や復旧を知らせる内容ではありません。利用中に問題が発生した場合は、クラウド版とセルフホスト版の構成差を踏まえて原因を切り分けることが重要です。