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ZscalerがAI悪用サイバー攻撃の拡大を報告!日本で脆弱性スキャン・API攻撃、韓国で約6万7,000人の情報窃取と企業の対策

Zscalerは「CXO Monthly Roundup | September 2026」で、日本と韓国におけるAIを悪用したサイバー攻撃の実態を報告しました。日本では既知の脆弱性を探すスキャンやAPI経由の攻撃にAIが利用され、韓国ではAIを活用した侵入活動によって約6万7,000人分の個人識別情報が窃取されたとしています。

影響が懸念されるのは、インターネットに公開されたWebアプリケーションやAPIを運用する企業、AIシステムを導入する組織、機密情報を扱う事業者です。Zscalerの調査では、ランサムウェア被害組織数も日本で前年比25%増、韓国で175%増となっており、攻撃対象の公開範囲の削減、アクセス制御、脆弱性修正の迅速化が重要とされています。

Zscalerが報告したAI悪用サイバー攻撃の概要

Zscalerのセキュリティ研究部門ThreatLabzは、2026年9月の月次レポートで、攻撃者がAIを偵察、脆弱性調査、侵入活動に組み込んでいる状況を取り上げました。

従来は攻撃者による調査や操作が必要だった工程の一部をAIで支援することで、公開システムの発見や脆弱性の特定、攻撃手順の実行を効率化できることが問題視されています。

今回の報告で注目される事例は、日本におけるAIを利用した脆弱性スキャンとAPI攻撃、韓国におけるAI侵入テストフレームワーク「ARTEX」の悪用です。

項目 報告された内容
報告元 Zscaler ThreatLabz
対象レポート CXO Monthly Roundup | September 2026
日本の攻撃事例 AIを利用した既知の脆弱性スキャンとAPI経由の攻撃
韓国の攻撃事例 ARTEXを悪用した公開Webアプリケーションへの偵察・侵入活動
韓国で窃取された情報 約6万7,000人分の個人識別情報
日本のランサムウェア被害組織数 前年比25%増
韓国のランサムウェア被害組織数 前年比175%増
企業への推奨対策 公開資産の削減、アクセス制御、迅速なパッチ適用、ゼロトラストによる侵害範囲の抑制

ランサムウェアの増加率は「ThreatLabz 2026 Ransomware Report」による数値です。同レポートの調査期間は2025年4月から2026年3月までであり、AIを悪用した個別事件の被害増加率を示すものではありません。

日本ではAIを利用した脆弱性スキャンとAPI攻撃を確認

Zscalerの報告によると、日本のJPCERT/CCは、最近の不正アクセス事案に関する調査で、攻撃者がAIを利用して既知の脆弱性をスキャンし、APIを経由した攻撃を実施していたことを確認しました。

APIは、アプリケーションやサービス間でデータや機能をやり取りするための仕組みです。企業が業務システムや外部サービスとの連携に利用する場合、公開範囲や認証設定がセキュリティ上の重要な確認対象になります。

今回の事例では、AIが攻撃者の調査や攻撃工程を支援していた点が特徴です。ただし、取得テキストには日本の被害企業名、侵入に利用された具体的な脆弱性番号、被害件数は記載されていません。

したがって、特定の製品やAPIに新たな脆弱性が見つかったという報告ではなく、既知の脆弱性を探す活動やAPIへの攻撃にAIが使われた事例として捉える必要があります。

韓国ではARTEX悪用で約6万7,000人の個人情報が窃取

韓国で確認された事例では、攻撃者がオープンソースのAIエージェント型侵入テストフレームワーク「ARTEX」を悪用しました。

ThreatLabzによると、攻撃者はARTEXを利用してインターネットに公開されたWebアプリケーションを調査し、侵入活動を支援させました。この活動によって、複数の金融機関が侵害され、約6万7,000人分の個人識別情報が窃取されたと報告されています。

個人識別情報は、特定の個人を識別するために利用できる情報です。Zscalerは、窃取された情報が詐欺やソーシャルエンジニアリングなどの後続活動に悪用される可能性を指摘しています。

ソーシャルエンジニアリングとは、人の信頼や判断を利用して情報を引き出したり、不正な操作を促したりする手口です。

取得テキストでは、被害を受けた金融機関の名称や、窃取された個人情報の具体的な項目までは示されていません。

AIはサイバー攻撃のどの工程に使われているのか

偵察と公開システムの発見

攻撃者はAIを利用して、インターネットに公開されたアプリケーションを発見し、侵入経路となり得る箇所を調査しています。

企業にとっては、管理対象として把握していない公開システムも攻撃対象になる可能性があるため、外部からアクセスできる資産の把握が重要になります。

既知の脆弱性の調査

AIは攻撃対象に存在する既知の脆弱性を探す工程にも利用されています。

特に、インターネットからアクセスできるシステムで修正が遅れている脆弱性は、優先的に確認すべき対象です。

WebアプリケーションやAPIへの攻撃支援

日本と韓国の事例では、公開WebアプリケーションやAPIに対する攻撃活動へのAIの利用が報告されています。

Zscalerは、AIの活用によって攻撃者が偵察や脆弱性悪用を自動化し、より多くの組織を対象に活動できる可能性を指摘しています。

AI攻撃への備えは平均37点、企業のAI管理にも課題

Zscalerは「ThreatLabz 2026 Frontier AI Readiness Report」で、企業が高度なAIによるサイバー攻撃にどの程度備えているかを調査しました。

2026年上半期に数百の企業・組織を対象として評価した結果、100点満点のFrontier AI Readiness Scoreは平均37点でした。

AIガバナンスの評価は20点満点で平均2.1点となり、調査対象の91%でAIエンドポイントがインターネットに公開されていました。また、調査対象の100%でAI向けのIDベース認証が欠けていたと報告されています。

公開されたAI関連システムには、MCPエンドポイントや認証のないチャットボット、AIアシスタントなどが含まれます。深刻な例として、重大度の高い問題を抱えるGenAIゲートウェイがインターネットに公開されていたケースも挙げられています。

これらの数値は調査対象となった企業群についての結果であり、世界中の全企業で同じ割合の問題が存在すると証明したものではありません。

一方でZscalerは、既存のセキュリティ製品の設定を最適化するだけでも改善の余地があるとしています。評価対象の64%では導入済みのDeception製品を展開できる状態にあり、18%では認証機能を追加のサイトへ拡張できる状態でした。

ランサムウェア攻撃ではMicrosoft TeamsやQuick Assistも悪用

ThreatLabzの2026年ランサムウェアレポートでは、攻撃者が正規の業務ツールを悪用して侵入する手口も取り上げられています。

具体的には、Microsoft TeamsやQuick Assistなどのコラボレーション・リモートサポートツールが悪用され、ITサポートを装うソーシャルエンジニアリングから侵入につなげる活動が報告されています。

攻撃者は大量の迷惑メッセージなどを利用し、従業員に不審な連絡への対応を促すことがあります。侵入後には、社内の別システムへの移動、情報窃取、ファイル暗号化につながるおそれがあります。

また、報告されたデータ流出量が多い上位10のランサムウェアグループによる合計流出量は、前年比275.8%増の896.2テラバイトに達したとされています。

特定の主要ランサムウェアグループによる攻撃では、被害者の62%が管理職以上の役職であり、確認された351人の約75%が財務、営業、業務運営、人事、マーケティングなどの部門に所属していました。

この結果は、セキュリティ部門や経営層だけでなく、日常業務で重要な情報や権限を扱う従業員にも対策が必要であることを示しています。

企業が今すぐ確認すべきAI攻撃への対策

Zscalerは、AIによって攻撃速度が高まる状況への対応として、公開システムの削減、認証の強化、脆弱性修正、監視体制の改善を推奨しています。

1. インターネットに公開された資産を確認する

Webアプリケーション、API、AIサービス、VPN装置などについて、外部からアクセス可能な範囲を確認します。

業務上不要な公開設定を見直し、公開する必要のないシステムへのアクセスを制限することが基本です。

2. AIサービスにIDベースの認証を適用する

AIエンドポイントやチャットボットなどで、利用者を識別したアクセス制御が適用されているかを確認します。

Zscalerは、AI関連の公開領域に対し、IDを考慮したアクセス制御を直ちに適用することを推奨しています。

3. 既知の脆弱性を優先して修正する

公開システムに存在する既知の脆弱性を確認し、修正を進めます。

特にZscalerの推奨事項では、インターネットに公開された資産に存在するCISA KEV掲載の脆弱性について、評価から72時間以内のパッチ適用を挙げています。

CISA KEVは、実際の悪用が確認された脆弱性をまとめたリストです。通常の脆弱性管理に加え、悪用実績のある問題を優先して扱う判断材料になります。

4. ゼロトラストとネットワーク分割を進める

ゼロトラストは、社内ネットワークであることだけを理由にアクセスを信頼せず、必要な認証やアクセス制御を適用する考え方です。

Zscalerは、社外からのリモートアクセスだけでなく、社内ネットワークにもゼロトラストを適用することを推奨しています。

さらに、システムやネットワークを分割し、侵入が発生しても別の領域への移動を制限する対策を挙げています。

5. 不審なITサポート依頼やリモート操作を確認する

Microsoft Teamsなどで突然届く外部からの連絡や、通常と異なるITサポート依頼には注意が必要です。

不審な依頼を受けた場合は、連絡に記載された案内だけを信用せず、組織内で確認済みの連絡経路を通じて正当性を確認します。

また、アカウント、端末、リモートアクセスツール、データ転送に関する異常な活動を監視し、必要最小限のアクセス権限を設定することが推奨されています。

ZscalerがAgentic SecOpsを発表、AIによる防御の自動化を支援

Zscalerは、攻撃者によるAI利用の拡大に対応する取り組みとして「Agentic SecOps」を発表しました。

このプラットフォームは、攻撃対象となる資産の管理と脅威管理を統合し、脅威の検出、調査、封じ込めを効率化することを目的としています。

Zscaler Zero Trust Exchangeの複数のセキュリティ機能から得られる情報を活用し、専門的なAIエージェントによってセキュリティ運用を支援する構成です。

また、検出した問題を対処につなげるクローズドループ型の修復機能も特徴として挙げています。

ただし、取得テキストは製品の発表内容を紹介したものであり、個別企業での導入効果や攻撃防止率を実証する数値は示していません。

FAQ:AIを悪用したサイバー攻撃について

日本でもAIを利用したサイバー攻撃は確認されていますか?

はい。Zscalerの報告では、JPCERT/CCが最近の不正アクセス事案を調査し、攻撃者によるAIを利用した既知の脆弱性スキャンとAPI経由の攻撃を確認したとされています。

韓国で悪用されたARTEXとは何ですか?

ARTEXは、オープンソースのAIエージェント型侵入テストフレームワークです。今回の事例では、攻撃者が公開Webアプリケーションへの偵察や侵入活動に悪用したと報告されています。

日本で特定のソフトウェアに脆弱性が発見されたのですか?

今回の取得テキストでは、特定製品の新規脆弱性を発見したという説明はありません。確認されたのは、攻撃者がAIを利用して既知の脆弱性を探し、API経由の攻撃を行っていたという内容です。

AIサービスを導入している企業は何を優先すべきですか?

公開されたAIエンドポイントの把握、IDベースの認証、既知の脆弱性の修正、アクセス権限の制限を優先して確認することが考えられます。Zscalerもこれらを重要な対策として推奨しています。

ランサムウェア被害の増加はすべてAIが原因ですか?

そのようには報告されていません。日本で25%増、韓国で175%増という数値はランサムウェア被害組織数の前年比であり、増加のすべてがAI利用によるものと示すデータではありません。

まとめ:AIを利用した攻撃に備え、公開資産とアクセス制御の見直しを

Zscalerの2026年9月の報告では、日本でAIを利用した脆弱性スキャンとAPI攻撃が確認され、韓国ではARTEXを悪用した攻撃によって約6万7,000人分の個人識別情報が窃取されたとされています。

また、ThreatLabzの調査では、AIシステムへの認証適用や公開範囲の管理にも課題があることが示されています。

企業のシステム管理者やセキュリティ担当者は、公開資産の把握、AIサービスの認証設定、悪用が確認された脆弱性の修正、異常なアクセスの監視を優先して見直すことが重要です。

AIの悪用そのものを防ぐことは難しくても、攻撃者が到達できる範囲を減らし、侵入後の被害拡大を抑える対策は進められます。既存のセキュリティ機能が適切に設定され、実際に運用されているかを確認することが現実的な対応となります。

出典:Zscaler Blog「Zscaler CXO Monthly Roundup | September 2026」、ThreatLabz 2026 Ransomware Report、ThreatLabz 2026 Frontier AI Readiness Report