
UAEのアブダビに拠点を置くPureCSとDell Technologiesが、政府機関や民間企業向けのサイバーセキュリティサービス提供に向けて提携しました。両社は、MDR(マネージド検知・対応)とXDR(拡張検知・対応)を活用し、サイバー攻撃の早期発見、迅速なインシデント対応、機密情報の保護を強化します。UAEでデジタルサービスやAIを活用する組織にとって、重要システムの安全性と事業継続性を高める取り組みとなります。
- PureCSとDell Technologiesがサイバーセキュリティ分野で提携
- 新たに提供されるMDR・XDRとは?サービスの特徴を解説
- 政府機関・民間企業への影響は?重要システムと機密情報の保護を強化
- 中東のサイバーセキュリティ市場は2031年に293億9,000万ドル規模へ
- 企業のセキュリティ担当者が確認すべき対策と導入時の注意点
- PureCSとDell Technologiesの提携に関するFAQ
- まとめ:UAEでサイバー攻撃の早期検知と迅速な対応を強化
PureCSとDell Technologiesがサイバーセキュリティ分野で提携
UAEのアブダビに拠点を置くPureCSとDell Technologiesは、国内の政府機関および民間企業に高度なサイバーセキュリティサービスを提供するため、新たな提携を結びました。
今回の提携では、Dell TechnologiesがPureCSのアブダビにあるセキュリティオペレーションセンター(SOC)を活用し、UAE全域の組織にセキュリティサービスを提供します。
PureCSはPureHealth傘下で、デジタルインフラストラクチャーとサイバーセキュリティソリューションを専門とする企業です。
両社は、Dell Technologiesの国際的なサイバーセキュリティに関する専門知識と、PureCSが運営する現地インフラを組み合わせることで、企業や政府機関が直面する高度化した脅威への対応を支援します。
特に重視されているのは、攻撃をできるだけ早く発見し、深刻な被害が発生する前に対応することです。
新たに提供されるMDR・XDRとは?サービスの特徴を解説
今回の提携で導入される主な技術は、MDRとXDRです。いずれもサイバー攻撃の検知と対応を支援する技術ですが、役割には違いがあります。
| 項目 | 概要 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| MDR(Managed Detection and Response) | 外部の専門サービスを活用して脅威を監視・検知し、対応を支援する仕組み | 不審な活動の早期発見と迅速なインシデント対応 |
| XDR(Extended Detection and Response) | 複数のセキュリティ領域の情報を関連付けて脅威を分析・検知する仕組み | 複雑な攻撃の把握と対応判断の効率化 |
| SOC(Security Operations Centre) | 組織のシステムやセキュリティイベントを監視・分析する拠点 | 継続的な脅威監視とインシデント対応の支援 |
| PureCSとDell Technologiesの提携 | アブダビのSOCと国際的なセキュリティ専門知識を組み合わせたサービス提供 | UAE国内の政府機関・企業におけるセキュリティ体制の強化 |
MDRによって攻撃への対応を迅速化
MDRは、組織のシステムを監視し、不審な動きを検知した際に専門的な対応を支援するサービスです。
今回の提携では、PureCSのSOCを通じてMDRサービスが提供されます。これにより、政府機関や企業は、サイバー攻撃による被害が深刻化する前に脅威を把握し、対応することを目指します。
ただし、MDRを導入するだけで、すべてのサイバー攻撃を防止できるわけではありません。監視対象、検知条件、対応手順を適切に設定することが重要です。
XDRで複雑なサイバー攻撃を検知
XDRは、複数のセキュリティ情報を関連付けて分析し、個別の監視だけでは把握しにくい攻撃の兆候を発見するための仕組みです。
今回の提携では、XDRを活用して組織のコンピューターシステムを監視し、不審な活動の特定と潜在的なサイバー攻撃への対応を支援します。
提供されるXDRサービスの具体的な対応製品、監視対象、導入構成については、取得情報に詳細な記載がありません。導入を検討する企業は、自社の既存システムとの連携範囲を事前に確認する必要があります。
政府機関・民間企業への影響は?重要システムと機密情報の保護を強化
今回の提携は、UAEの政府機関と民間企業を対象としています。
政府サービスや企業活動のデジタル化が進む中、システムの停止や機密情報の流出は、事業継続に影響を与える可能性があります。
PureCSの最高執行責任者であるRashed Humaid Al Neyadi氏は、UAEのデジタルトランスフォーメーションが加速する中で、重要システム、機密データ、生活や事業に不可欠なサービスを保護する能力が一層重要になっていると説明しています。
また、Dell Technologies UAEのマネージングディレクターであるWalid Yehia氏は、今回の契約によって、複雑化するサイバー脅威に対する組織の保護を強化できるとしています。
両社が目指すのは、国際的な専門知識を活用しながら、UAE国内のインフラを通じてセキュリティサービスを提供することです。
なお、今回の発表はセキュリティサービスの提供に関する提携であり、特定の政府機関や企業において新たな情報漏洩事故が発生したという発表ではありません。
中東のサイバーセキュリティ市場は2031年に293億9,000万ドル規模へ
今回の提携の背景には、中東地域で高まるサイバーセキュリティ需要があります。
調査会社MarketsandMarketsによると、中東のサイバーセキュリティ市場は、2026年の185億6,000万ドルから2031年には293億9,000万ドルに成長すると予測されています。
年間平均成長率は約9.6%とされています。
これは将来の市場規模に関する予測であり、確定した売上実績ではありません。
UAEではAIやデジタル技術の利用が進んでおり、企業や政府機関が重要情報とサービスを保護するためには、より強固なサイバーセキュリティ体制が必要になると両社は説明しています。
特に、攻撃を受けた後の復旧だけでなく、攻撃の兆候を早期に検知して被害拡大を抑える仕組みへの需要が高まると考えられます。
企業のセキュリティ担当者が確認すべき対策と導入時の注意点
PureCSとDell Technologiesの提携はUAEを対象としていますが、MDRやXDRを活用したセキュリティ対策は、日本企業が自社の監視体制を見直す際にも参考になります。
実際に導入を検討する場合は、サービス名称だけで判断せず、監視対象とインシデント対応範囲を確認することが重要です。
1. 重要システムと機密情報の管理状況を確認する
最初に、自社で保護すべき重要システムや機密情報を整理します。
業務継続に必要なシステムを特定し、障害や攻撃が発生した場合にどの業務へ影響するかを確認します。
監視対象が曖昧なままでは、MDRやXDRを導入しても重要なシステムが保護対象から外れる可能性があります。
2. 不審な活動を検知できる監視体制を整える
システムの監視状況を確認し、異常なアクセスや不審な操作を把握できる仕組みを整えます。
既存のセキュリティ製品を利用している場合は、それぞれの監視情報をどこまで連携できるか確認します。
XDRを検討する際は、対応するシステムの種類、収集できる情報、検知内容、運用方法を提供事業者に確認することが有効です。
3. 攻撃検知後の対応手順を明確にする
脅威を検知した後に誰が判断し、どのような措置を実施するのかを事前に決めておく必要があります。
例えば、不審な活動が検知された際の担当者への通知、影響範囲の調査、必要なシステムの隔離、復旧判断などを整理します。
MDRサービスを利用する場合は、監視だけを提供するのか、調査や対応支援まで含むのかについても確認が必要です。
4. SOCの対応範囲とサービス条件を確認する
外部SOCを利用する場合、監視時間、インシデント発生時の連絡方法、対応可能な範囲を確認します。
今回の提携ではPureCSのアブダビにあるSOCが活用されますが、具体的なサービス料金、対応時間、契約条件は取得情報に記載されていません。
導入判断にあたっては、これらの条件を提供事業者に確認することが必要です。
PureCSとDell Technologiesの提携に関するFAQ
Q. PureCSとDell Technologiesは何を発表したのですか?
UAEの政府機関と民間企業向けに高度なサイバーセキュリティサービスを提供するための提携を発表しました。PureCSのアブダビにあるSOCを活用し、MDRやXDRによる脅威検知と対応を支援します。
Q. 今回の提携によってサイバー攻撃を完全に防げますか?
完全な防御が保証されるわけではありません。今回のサービスは、攻撃の早期検知、迅速な対応、機密情報や重要システムの保護強化を目指すものです。
Q. 日本企業も今回のサービスを利用できますか?
取得情報では、サービスの提供対象はUAE国内の政府機関と民間企業とされています。日本企業への提供条件については確認できません。
Q. MDRとXDRはどちらを優先して導入すべきですか?
MDRは外部の専門家による監視・対応支援を重視する場合、XDRは複数のセキュリティ情報を関連付けた脅威検知を強化したい場合に検討できます。ただし、両者は必ずしも排他的な選択肢ではありません。現在の監視体制、社内の対応能力、既存製品との連携状況によって適切な構成は異なります。
Q. 今回の発表で新たなサイバー攻撃被害が確認されたのですか?
今回の発表の中心はセキュリティサービスの提供に向けた提携です。取得情報には、今回の提携に直接関連する具体的な侵害事件や被害企業の発表は含まれていません。
まとめ:UAEでサイバー攻撃の早期検知と迅速な対応を強化
PureCSとDell Technologiesの提携により、UAEの政府機関や民間企業は、アブダビのSOCを活用したMDR・XDRサービスを利用できるようになる見通しです。
両社は、サイバー攻撃の早期検知、対応の迅速化、機密情報の保護、重要サービスの継続性向上を目指しています。
また、中東のサイバーセキュリティ市場は2026年から2031年にかけて拡大すると予測されており、デジタル化やAI活用の進展に伴うセキュリティ需要の増加も背景となっています。
企業のセキュリティ担当者は、今回の発表を参考に、自社の重要システムが適切に監視されているか、攻撃検知後の対応体制が整っているかを確認することが重要です。
重要なのは、製品やサービスを導入すること自体ではなく、攻撃を検知してから被害を抑えるまでの運用体制を構築することです。