
AMDが9月29日に公開したWindows向けドライバー「Adrenalin 26.9.2」から、未発表GPU名「ATLite3」が見つかりました。PS6向けチップ「Orion」に搭載されるGPUのコードネームではないかと推測されています。PS6の購入を検討している人や次世代ゲーム機のハードウェア動向を追っている人にとって、開発状況を判断する材料の1つになりますが、PS6への採用や2027年秋の発売が正式確認されたわけではない点には注意が必要です。
- AMDドライバーから「ATLite3」「AT2」「Gainsborough」が見つかる
- なぜATLite3がPS6向けGPUとみられているのか
- ATLite3はAT3の単純な性能縮小版とは限らない
- PS6ではRDNA 5の全機能を搭載しない可能性
- PS6の2027年秋発売を裏付ける情報なのか
- PS6を待っている人が現時点で確認しておきたい点
- GainsboroughはSteam Deck 2向けとの推測も
- FAQ
AMDドライバーから「ATLite3」「AT2」「Gainsborough」が見つかる
AMDが9月29日に公開したWindows向けドライバー「Adrenalin 26.9.2」に、未発表チップとみられる「ATLite3」「AT2」「Gainsborough」の3つの名前が記載されていることが確認されました。
これらはGPUの電源を制御するプログラム名の一部として含まれていたもので、AnandTechフォーラムのSixPie氏が発見しています。
取得テキストでは、AT2は2027年に登場するとされるPC向けRDNA 5 GPUとして以前から知られている名称とされています。一方、新たに確認されたATLite3についてはPS6向けGPU、GainsboroughについてはSteam Deck 2向けチップではないかと推測されています。
| 名称 | 取得テキストで示されている位置付け | 注意点 |
|---|---|---|
| ATLite3 | PS6向け「Orion」が搭載するGPUのコードネームと推測 | PS6向けと正式発表された名称ではない |
| AT2 | 2027年に発売されるとされるPC向けRDNA 5 GPU | 今回新たに登場した名称ではない |
| Gainsborough | Steam Deck 2向けチップと推測 | 名称やパッケージ情報を基にした推測 |
なぜATLite3がPS6向けGPUとみられているのか
PS6に搭載されるとされるチップ「Orion」は、Zen 6のCPUとRDNA 5のGPUを組み合わせたAPUとされています。Kepler_L2氏は、Orionについて設計をすでに終えた段階にあるとしています。
ATLite3がOrion向けGPUではないかと考えられている理由の1つが、PS5で使われたGPUの名称です。
PS5のGPUはAMD内部で「Navi10Lite」と呼ばれており、PC向けRadeon RX 5700シリーズに使われた「Navi 10」に「Lite」を加えた名称になっていました。
この命名方法を今回の「ATLite3」に当てはめると、PC向けGPUである「AT3」をベースにPlayStation向けにカスタマイズしたGPUである可能性が考えられる、というのが取得テキストで示されている見方です。
ATLite3はAT3の単純な性能縮小版とは限らない
RDNA 5では、AT0、AT2、AT3、AT4という4つのGPUダイが用意されるとされています。PS5のNavi10Liteと同じ命名規則であれば、ATLite3に対応するPC向けGPUはAT3になります。
AT3は、Moore's Law is Dead氏によってRadeon RX 9060 XTの後継となるミドルレンジ向けGPUとして示されていました。
ただし、取得テキストではOrionとAT3には構成上の違いがあるとされています。CU数はOrionのほうが6基多く、メモリについてもAT3はノートPC向けのLPDDR、OrionはGDDR7とされており、単純にAT3をそのままPS6へ搭載する構成ではありません。
また、PS5のNavi10Liteも単純な小型版ではなく、RDNA 1を土台にレイトレーシング機能だけをRDNA 2から取り入れたカスタマイズ品だったとされています。
そのため、今回の「Lite」はCU数を減らしたという意味ではなく、PS6に不要な機能を省くなど、用途に合わせて機能を絞ったGPUを示している可能性があります。
PS6ではRDNA 5の全機能を搭載しない可能性
Kepler_L2氏は2月の時点で、PS6ではコストを抑えるため、デスクトップ向けRadeonが備えるRDNA 5の全機能を搭載しないとの見方を示していました。
取得テキストでは、PS6向けGPUがAT3系だったとしても、デスクトップ向けAT3をそのまま使うのではなく、CPUと同じチップに搭載するAPU向けに変更し、PS6に不要な機能を削ったカスタマイズ品になるとみられています。
つまり、「ATLite3」という名前だけからAT3より性能が低い、あるいは上位・下位モデルだと判断することはできません。ゲーム機向けに設計を変更した別構成のGPUとして見る必要があります。
PS6の2027年秋発売を裏付ける情報なのか
PS6は、当初の予定では2027年秋以降の発売と言われています。一方で、メモリ価格高騰を背景とした発売延期の噂も出ています。
取得テキストでは、直近でチップ設計の大部分が完了したテープアウトの段階に到達していることに加え、今回AMDドライバー内からATLite3とみられる名称が確認されたことから、当初予定されている2027年秋発売に向けて開発自体は進められていると考えられています。
ただし、ドライバーにATLite3という名称が存在することだけで、PS6の発売時期を確定することはできません。取得テキストでも2027年秋は当初予定として扱われており、正式な発売日として示されているわけではありません。
PS6を待っている人が現時点で確認しておきたい点
今回確認できた事実として重要なのは、AMDの「Adrenalin 26.9.2」にATLite3という名称が含まれていることです。
一方、ATLite3がPS6向けGPUであるという判断は、PS5のNavi10Liteという過去の命名方法や、Orion、AT3に関するリーク情報を組み合わせた推測です。
PS6の性能や発売時期を判断する場合は、「AMDドライバーに名称が存在すること」と「その名称がPS6向けであること」「PS6が2027年秋に発売されること」を分けて考える必要があります。
特にPS6を待つために現行機の購入を見送るといった判断をする場合、今回の情報だけを発売時期確定の根拠にするのは避けたほうがよいでしょう。
GainsboroughはSteam Deck 2向けとの推測も
同じドライバーで見つかった「Gainsborough」については、Steam Deck 2向けチップではないかと推測されています。
現行Steam Deckのチップは『ファイナルファンタジーVII』の登場人物Aerith Gainsboroughに由来する「Aerith」というコードネームで、Gainsboroughはその姓に当たります。
さらに、輸出入記録ではGainsboroughのパッケージが25×25mmの「FF6」と記載されており、携帯ゲーミングPC向け次世代チップ「Ryzen Z3」で挙がっていたパッケージと同じとされています。
ただし、こちらについてもSteam Deck 2向けであることが正式に確認されたという内容ではありません。
FAQ
ATLite3はPS6のGPUで確定ですか?
確定ではありません。AMDの「Adrenalin 26.9.2」にATLite3という名称が存在することは確認されていますが、PS6向け「Orion」に搭載されるGPUではないかという部分はKepler_L2氏による推測です。
PS6は2027年秋に発売されますか?
取得テキストでは当初の予定として2027年秋以降とされています。ただし、メモリ価格高騰による延期の噂もあり、今回のATLite3発見だけで発売時期が確定したとは判断できません。
「Lite」は性能が低いという意味ですか?
取得テキストからは、そのようには断定できません。PS5のNavi10Liteも機能をカスタマイズしたGPUだったとされており、ATLite3についてもCU数ではなく機能を絞ったことを示す名称である可能性が示されています。
PS6にはPC向けAT3がそのまま搭載されるのですか?
取得テキストでは、その可能性は低いとみられています。OrionはCPUとGPUを組み合わせたAPU向けの構成で、AT3とはCU数や使用するメモリも異なるとされています。PS6向けに変更されたカスタマイズ品になるとの見方が示されています。