エラー大全集

様々なツールのエラーを解説しています。

Windows 11「KB5083769」でバックアップ失敗が相次ぐ理由と今すぐ確認すべき対処法

 

Windows 11「KB5083769」でバックアップ失敗が相次ぐ理由と今すぐ確認すべき対処法

Windows 11向けの2026年4月セキュリティ更新プログラム「KB5083769」適用後、一部のバックアップソフトでバックアップ失敗やイメージのマウント不能が報告されています。原因は単純なWindows Updateの不具合ではなく、脆弱なカーネルドライバーをブロックするセキュリティ強化にあります。問題の中心にあるのは、バックアップ製品が利用するドライバーの互換性です。バックアップが動いているつもりでも、実際にはジョブが失敗している可能性があるため、利用者はソフトの更新状況とバックアップ履歴を早急に確認する必要があります。MicrosoftはKB5083769をWindows 11 バージョン24H2および25H2向けの累積更新プログラムとして公開しており、セキュリティ修正や改善を含む重要な更新として位置づけています。Microsoftサポート+1

KB5083769で起きているバックアップ失敗とは

2026年4月14日に公開されたWindows 11向け累積更新プログラム「KB5083769」適用後、サードパーティ製バックアップソフトでバックアップ処理やバックアップイメージの操作に失敗するケースが報告されています。症状としては、バックアップ中にVSS関連のエラーが出る、スナップショット作成がタイムアウトする、保存済みイメージをマウントできない、復元前の確認作業が止まるといったものです。

特に注意したいのは、エラーメッセージだけを見るとVolume Shadow Copy Service、つまりVSSそのものの不具合に見える点です。しかし今回の問題は、Windows側が特定の脆弱なドライバーをブロックすることで、バックアップソフトが必要な低レベル処理を実行できなくなる構図です。海外メディアの報道では、psmounterex.sysというドライバーが焦点として挙げられており、Microsoftの脆弱なドライバーブロックリストに関係する変更が影響していると説明されています。Windows Central+1

バックアップソフトは、単にファイルをコピーしているだけではありません。システム全体のイメージを取得したり、稼働中のWindowsから一貫性のあるスナップショットを作成したり、バックアップイメージを仮想ドライブのようにマウントしたりするために、専用のドライバーを利用する場合があります。そのドライバーがWindowsの安全基準に合わないと判断されると、ソフト本体が起動していても重要な処理だけが失敗します。

Microsoftは「Windowsのバグではない」と見ている

今回のポイントは、Microsoftがこの現象を単なるOS側の不具合として扱っていないことです。Microsoftの考え方は、脆弱なカーネルドライバーをブロックすることはセキュリティ上必要な挙動であり、影響を受けるバックアップソフト側が新しいドライバーへ更新するべき、というものです。

これは利用者から見るとやや厄介です。Windows Updateを入れた直後にバックアップが失敗すれば、直感的には「更新プログラムが壊した」と感じます。しかしセキュリティの観点では、古いドライバーを許可し続けること自体がリスクになります。カーネルドライバーはWindowsの深い領域で動作するため、攻撃に悪用されると被害が大きくなりやすいからです。

つまりKB5083769は、バックアップソフトを狙って止めたというより、危険性のあるドライバーを止めた結果として、古い設計や未更新のバックアップ環境が影響を受けたと見るべきです。これはセキュリティ強化と互換性維持の衝突であり、Windows Updateではたびたび起きる問題でもあります。

影響を受ける可能性があるバックアップソフト

報告では、Macrium Reflect、Acronis Cyber Protect Cloud、UrBackup Server、NinjaOne Backupなどの名前が挙がっています。ただし、問題は特定の1製品だけに限定されるものではありません。該当する古いドライバーやブロック対象のコンポーネントを利用しているバックアップ製品であれば、同様の症状が起きる可能性があります。影響はWindows 11だけでなく、Windows 10やWindows Server環境にも及ぶ可能性があると報じられています。Windows Central+1

確認項目 見るべきポイント 放置した場合のリスク
バックアップソフトのバージョン 最新版か、ドライバー更新を含む修正があるか ジョブ失敗や復元不能に気づかない
バックアップ履歴 KB5083769適用後の成功・失敗ログ バックアップ済みと思い込む
VSSエラー タイムアウトやVSS_E_BAD_STATEの有無 原因をVSSだけと誤認する
イメージのマウント 過去のバックアップを開けるか 復元時に初めて問題が発覚する
イベントビューアー CodeIntegrityのブロック記録 ブロックされたドライバーを見逃す
 

この表で最も重要なのは、バックアップの「作成成功」だけで安心しないことです。バックアップイメージを復元に使う運用では、マウント、参照、検証、復元テストまで含めて正常性を判断する必要があります。特に企業環境では、バックアップジョブの成否通知だけを監視していても、イメージ操作や復元段階の不具合を見逃すことがあります。

表示されやすいエラーと見落としやすい落とし穴

今回の問題では、「Microsoft VSSがスナップショット作成中にタイムアウトした」という趣旨のエラーや、「VSS_E_BAD_STATE」といったエラーが出る場合があります。これらは一見するとVSSサービスの停止、ストレージ不足、スナップショット領域の破損、バックアップ対象ボリュームの異常などを疑いたくなる内容です。

しかし、実際にはWindowsのCode Integrity機能によってドライバーがブロックされ、その結果としてバックアップソフト側の処理が完了できず、VSS関連のエラーとして表面化している可能性があります。つまり、VSSを再起動したり、シャドウコピーを削除したり、バックアップ設定を作り直したりしても、根本原因がドライバーのブロックであれば解決しません。

このタイプの障害で危険なのは、バックアップソフトが完全に起動しなくなるとは限らない点です。管理画面は開ける、スケジュールも残っている、過去のジョブも表示される。それでも裏側で必要なドライバーが使えず、バックアップや復元に関係する一部機能だけが失敗することがあります。見た目の正常さに惑わされない確認が必要です。

イベントビューアーでブロックを確認する方法

ドライバーがブロックされているかどうかは、Windowsのイベントビューアーで確認できます。BleepingComputerなどの報道では、CodeIntegrityのOperationalログにあるイベントID 3077と、特定のPolicy IDを確認する方法が紹介されています。Windows Central

操作手順は次の通りです。

  1. スタートボタンを右クリックし、「イベント ビューアー」を開く。

  2. 「アプリケーションとサービス ログ」を展開する。

  3. 「Microsoft」から「Windows」を開く。

  4. 「CodeIntegrity」を選び、「Operational」を開く。

  5. イベントID「3077」を探す。

  6. 「Policy ID {D2BDA982-CCF6-4344-AC5B-0B44427B6816}」に関連する記録がないか確認する。

該当するログがあれば、Windowsが何らかのドライバーをブロックした可能性があります。バックアップソフトの失敗時刻とイベントログの時刻が近い場合は、単なるVSS障害ではなく、ドライバー制御による影響を疑うべきです。

ただし、イベントログを見慣れていない場合は、ログの存在だけで断定しないことも重要です。企業端末ではセキュリティ製品、デバイス制御、仮想化関連ソフト、暗号化ソフトなど、複数のドライバーが関係することがあります。バックアップソフトのサポート情報と照合しながら判断するのが安全です。

今すぐ行うべき対処法

最優先は、利用しているバックアップソフトを最新版に更新することです。Microsoftが推奨している方向性も、Windows Updateのアンインストールではなく、バックアップソフト側の更新です。古いドライバーを使い続けることは、バックアップの安定性だけでなく、端末全体のセキュリティにも影響します。

次に確認すべきなのは、KB5083769適用後のバックアップ履歴です。2026年4月14日以降に作成されたバックアップが成功しているか、実際にファイルが生成されているか、バックアップイメージを開けるかを確認します。成功表示があっても、検証機能がある場合は必ず実行した方がよいでしょう。

さらに、復元メディアを使う運用の場合は、復元環境側のバックアップソフトやドライバーも古くないか確認する必要があります。本体ソフトだけを更新しても、緊急起動用メディアが古いままだと、いざという時にバックアップイメージを扱えない可能性があります。バックアップ環境では、作成、保存、検証、復元のすべてが揃って初めて意味があります。

KB5083769をアンインストールすべきか

バックアップが失敗しているからといって、すぐにKB5083769を削除する判断は慎重に行うべきです。KB5083769はセキュリティ修正を含む累積更新プログラムであり、削除すれば別の脆弱性リスクを抱えることになります。特にインターネット接続がある端末、業務利用端末、リモート接続を使う端末では、更新プログラムを外したままにする運用は長期的に危険です。

一時的な切り分けとしてアンインストールを検討する場面はあります。しかし恒久対策としては、バックアップソフトの更新、修正版ドライバーの適用、ベンダーが公開する回避策の確認が優先されます。業務環境では、いきなり全端末に適用するのではなく、バックアップソフトを含む検証用端末で更新後の挙動を確認する運用が望ましいでしょう。

今回のような問題は、Windows Updateそのものを避ければ解決するという話ではありません。脆弱なドライバーが使われている限り、将来の更新やセキュリティ設定変更で再びブロックされる可能性があります。根本的には、バックアップ製品側が現在のWindowsのセキュリティ要件に対応しているかが問われています。

個人ユーザーと企業管理者で確認すべきことは違う

個人ユーザーの場合、まず見るべきなのはバックアップソフトの更新通知です。無料版や古い買い切り版を長く使っている場合、最新のWindows更新に対応したドライバーが提供されていない可能性があります。特にシステムイメージバックアップを頼りにしている場合は、バックアップ先の外付けドライブにファイルがあるだけで安心せず、実際にイメージを開けるか確認することが重要です。

企業管理者の場合は、影響範囲の洗い出しが先です。どの端末にKB5083769が適用済みか、どのバックアップ製品とバージョンを使っているか、ジョブ失敗が集中している部署や端末がないかを確認する必要があります。さらに、バックアップサーバー、エージェント、復元メディア、管理コンソールのバージョンが揃っているかも見落とせません。

バックアップは、障害が起きてから重要性に気づく仕組みです。今回のKB5083769問題は、日々のバックアップが単に「走っている」だけでは不十分であることを改めて示しています。更新プログラムの適用後は、バックアップログ、イベントログ、復元テストまで含めた確認を行うべきです。

まとめ:KB5083769後は「バックアップできているつもり」を疑うべき

KB5083769によるバックアップ失敗は、Windowsのセキュリティ強化と古いドライバーの互換性問題がぶつかった結果です。Microsoftは、脆弱なドライバーをブロックする挙動をセキュリティ上の正常な対応と見ており、利用者にはバックアップソフトを最新版へ更新することが求められます。

今回もっとも危険なのは、エラーに気づかないままバックアップが継続していると思い込むことです。バックアップソフトの画面が開けること、スケジュールが残っていること、過去の保存先にファイルがあることは、復元可能性の証明にはなりません。KB5083769適用後は、バックアップジョブの成否、VSSエラー、CodeIntegrityログ、イメージのマウント可否を確認する必要があります。

Windows Updateを止めるのではなく、バックアップ環境を更新する。これが今回の現実的な対処法です。セキュリティ更新を維持しながら、バックアップソフトも現在のWindowsに対応した状態へそろえることが、データを守るうえで最も安全な選択になります。