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Windows 11エラーコードなしで発生するDRM/HDCP再生不具合の原因と対処法【KB5065426/KB5064081】

はじめに

2025年9月20日に公開されたWindows 11の最新パッチ「KB5065426」適用後、一部ユーザーからDRM(デジタル著作権管理)やHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)関連の再生不具合が報告されています。Blu-ray再生ソフトやデジタルTVチューナーアプリが突然エラーを出したり、画面が真っ暗になったり、映像が固まってしまうのです。しかもこの不具合は、前月配布された「KB5064081」によって引き起こされていたことがMicrosoft公式のリリースヘルスダッシュボードで確認されています。

今回の記事では、原因や影響範囲をわかりやすく整理しつつ、ユーザーが実際にとれる回避策についても考察していきます。特にディスク再生派やTV視聴派にとっては切実な問題ですので、自分に関係あるかどうかを確認しながら読み進めてください。

不具合の発生日と対象バージョン

この不具合が報告されたのは2025年9月20日に公開されたKB5065426の適用後です。とはいえ、根本的な原因は2025年8月のKB5064081にあり、内部で使用されている「Enhanced Video Renderer(EVR)」におけるHDCP強制機能やDRM処理が正しく動作しなくなったことが問題の発端となっています。

対象はWindows 11の25H2系(24H2も一部影響あり)で、特にBlu-rayドライブやデジタルTVチューナーを利用するユーザーに影響が大きいとされています。一般的なNetflixやAmazon Prime Videoなどの配信サービスは「Simple Video Renderer(SVR)」を使うため、こちらは影響を受けていません。

エラーの具体的な症状

ユーザーからの報告を整理すると、以下のような挙動が多く見られます。

Blu-ray再生ソフトでは「著作権保護に失敗しました」というエラーメッセージが表示されるケースが多いです。
デジタルTV視聴ソフトでは映像が途中でフリーズして音声だけ流れる、または完全にブラックスクリーンのまま再生が始まらないケースがあります。

フォーラムやRedditの投稿によると「PowerDVD」や「WinDVD」での不具合報告が多く、日本国内では地デジ録画視聴アプリが利用できなくなったという声も見られます。

不具合の原因(推定と公式発表)

Microsoftの公式発表によると、原因はEnhanced Video Renderer(EVR)でのDRMやHDCP関連処理が正常に機能しなくなったことにあります。EVRは古いレンダリング方式で、現在はSVRへ移行が進んでいますが、ディスク再生系ソフトやTVアプリでは依然として利用され続けているため影響が残っています。

技術的には、パッチによってビデオパイプラインの一部が更新され、その過程で暗号鍵の認証処理に失敗しているのではないかと分析されています。これにより本来正規のライセンスを持つユーザーでも再生がブロックされてしまうという、かなり理不尽な状態が生まれているのです。

Microsoftの対応状況

現時点でMicrosoftは修正パッチを提供していません。公式ページでは「影響を受けるユーザーはアップデートの適用を控えることを推奨」としています。つまり今のところ有効な回避策は「更新をしない」か「既に適用した更新をアンインストールする」しかありません。

このようなケースでは数週間〜1か月以内に修正版が出るのが通例ですが、過去の事例を見ると半年近く対応されなかった不具合も存在しました。従って、メディア再生を日常的に使う人にとっては深刻度の高い問題といえるでしょう。

回避策とユーザーが取れる具体的な行動

まず最も確実な方法は、KB5065426やKB5064081をアンインストールすることです。これによって不具合が発生する前の環境に戻すことができます。実際に海外フォーラムでも「アンインストールしたらBlu-ray再生が復活した」という声が複数寄せられています。

手順を簡単にまとめると以下のようになります。

(1) 「設定」アプリを開きます。
(2) 「Windows Update」→「更新の履歴」を選びます。
(3) 「更新プログラムをアンインストールする」をクリックします。
(4) 一覧の中から「KB5065426」または「KB5064081」を探して選択します。
(5) 「アンインストール」をクリックし、再起動します。

この操作で再生不具合が解消される可能性があります。ただしセキュリティ更新も削除されるため、インターネット経由の脅威に対してはリスクが高まることを理解しておく必要があります。

また一時的な代替策として、EVRを使用しない再生ソフトを利用するという方法もあります。最新のアプリケーションでは「Simple Video Renderer(SVR)」を使うものが多く、この場合は不具合の影響を受けません。

他のユーザーからの声

RedditやX(旧Twitter)では、同じ不具合に悩まされているユーザーの声が急増しています。

「PowerDVDが完全に使えなくなった。ライセンス料払っているのに見られないのは納得できない」
「日本の地デジ録画ソフトが再生できない。テレビカードが無駄になった」
「SVRに切り替えられるアプリなら問題ないけど、Blu-rayはそう簡単に代替できない」

こうした報告が相次いでおり、Microsoft公式のフォーラムでも同様のスレッドが立てられています。特にディスク派のユーザーは強い不満を表明しており、「配信サービスしか使えない時代にされてしまうのか」という不安の声まで出てきています。

今後の見通し

Microsoftはこの不具合を「既知の問題」として正式に認めています。したがって、近い将来修正パッチが配布される可能性は高いでしょう。ただし、暗号処理や著作権関連の部分は非常にデリケートなため、修正には慎重な検証が必要とされ、リリースまでに時間がかかることも考えられます。

また、今回の件で注目されているのは、Microsoftが古い技術(EVR)から新しい技術(SVR)への移行をユーザーに促している可能性です。これをきっかけにBlu-rayや物理メディア再生アプリの多くがSVR対応にシフトしていくことも予想されます。

読者への問いかけ

今回の不具合について、みなさんはどのように感じましたか?
Blu-rayやTVチューナーを日常的に使っている人にとっては非常に深刻な問題だと思いますが、逆に「最近は配信サービスしか使っていないから影響なし」という人も多いかもしれません。

あなたの環境では再生できていますか? それともエラーに直面していますか? コメント欄で状況を教えていただけると、他のユーザーにとっても参考になるはずです。

まとめ

・2025年9月20日に公開されたKB5065426が原因で、Blu-rayやデジタルTVアプリの再生不具合が発生
・根本原因は前月のKB5064081によるEVRのHDCP/DRM処理不具合
・影響は主にBlu-ray・地デジアプリ、配信サービスは無関係
・回避策は「更新をアンインストール」または「EVRを使わない再生アプリを利用」
・Microsoftはまだ修正パッチを出していないが、今後対応が期待される