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Windows 11アップデート後にOSが起動しなくなる!M.2ストレージ認識問題とその解決策

知人のWindows 11アップデート後のトラブル体験談

一昨日、知人が自作PCにてWindows 11のアップデートを実施しました。アップデート当初は特に問題なく動作していましたが、アップデート後にOSが起動しなくなるという深刻な問題が発生しました。以下に、彼のPC環境と発生した問題の詳細を紹介します。

PC環境

  • マザーボード(MB): MSI Pro B650-s Wifi
  • CPU: Ryzen 7 7700X
  • メモリ: Corsair VENGEANCE RGB DDR5 16GB×2
  • M.2ストレージ: Fanxiang S880 2TB
  • OS: Windows 11

使用可能な別ストレージ

  • Windows 11入りUSB
  • Windows 10入りSSD
  • HDD 4TB
  • USB 64GB

発生した問題の詳細

一昨日まで正常に動作していた自作PCにWindows 11のアップデートを行ったところ、OSが起動しなくなりました。初期化のオプションが表示されず、トラブルシューティングから復旧や修復を試みましたが、すべての試みがエラーで失敗しました。特に問題となったのは、M.2ストレージが認識されていないことです。コマンドプロンプトからメモ帳を開き、エクスプローラーを確認すると、Cドライブが置き換わっている状態でした。

さらに、BIOSではM.2ストレージが正常に認識されており、容量も減少していないため、データは残っているはずと考えられます。しかし、OS側での認識がされていないため、データへのアクセスが困難な状況です。彼はこの問題の原因と改善方法について困惑しており、助けを求めています。

Windows 11アップデート後にOSが起動しなくなる主な原因と考えられる要素

Windows 11のアップデート後にOSが起動しなくなる問題は、多岐にわたる要因が絡み合って発生する可能性があります。知人のケースにおいて考えられる主な原因と、それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。

  1. アップデート中のエラーや不具合

    • 不完全なアップデート: アップデート中に電源が切れたり、インターネット接続が不安定だった場合、アップデートが正常に完了せず、OSが起動しなくなることがあります。
    • 互換性の問題: 特定のハードウェアやドライバーがWindows 11の新しいバージョンと互換性がない場合、アップデート後にシステムが不安定になることがあります。
  2. ストレージの認識不良

    • ドライバーの問題: M.2ストレージを制御するドライバーが正しく動作していない場合、OSがストレージを認識できなくなることがあります。
    • ストレージの故障: 物理的な故障やファームウェアの不具合により、ストレージが正常に動作しないことがあります。
  3. BIOS設定の不適合

    • ストレージモードの設定: BIOSで設定されているストレージモード(例:AHCI、RAID)がOSの設定と一致していない場合、ストレージが正しく認識されないことがあります。
    • セキュアブートやTPMの設定: Windows 11はセキュアブートやTPM 2.0の有効化を要求しますが、これらの設定が適切に行われていない場合、アップデート後に問題が発生することがあります。
  4. システムファイルの破損

    • ウイルスやマルウェアの影響: システムファイルが破損している場合、OSの起動に支障をきたすことがあります。
    • 不適切なシャットダウン: アップデート中に強制的にシャットダウンされた場合、システムファイルが破損することがあります。

効果的な改善方法とトラブルシューティング手順

知人が直面しているWindows 11アップデート後の起動問題を解決するために、以下のステップを順に試してみることをおすすめします。

  1. セーフモードでの起動を試みる

    • セーフモードの起動方法: 電源を入れた後、Windowsのロゴが表示される前に電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンを行います。これを3回繰り返すと、自動修復モードが起動します。そこで「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を選択し、セーフモードで起動します。
    • セーフモードでの修復: セーフモードで起動できた場合、システムの復元ポイントを使用して、問題が発生する前の状態に戻すことが可能です。
  2. BIOS設定の確認と調整

    • ストレージモードの確認: BIOSに入り、ストレージモードが正しく設定されているか確認します。一般的にはAHCIモードが推奨されますが、RAIDモードになっている場合は変更が必要です。
    • セキュアブートとTPMの確認: Windows 11の要件に従い、セキュアブートとTPM 2.0が有効になっているか確認します。必要に応じて有効化します。
  3. ストレージドライバーの再インストール

    • ドライバーの更新: セーフモードで起動できた場合、デバイスマネージャーからM.2ストレージのドライバーを更新します。
    • ドライバーの再インストール: ドライバーの更新がうまくいかない場合、デバイスマネージャーでドライバーをアンインストールし、再起動後に再インストールします。
  4. コマンドプロンプトからの修復操作

    • システムファイルのチェック: コマンドプロンプトを開き、sfc /scannow コマンドを実行してシステムファイルの整合性をチェックし、修復します。
    • ディスクチェックの実行: chkdsk /f /r コマンドを実行して、ディスクのエラーを検出し修復します。
  5. Windowsインストールメディアを使用した修復

    • インストールUSBの準備: 使用可能なWindows 11入りUSBを使用して、PCをUSBから起動します。
    • 修復オプションの選択: 「コンピュータを修復する」を選択し、「スタートアップ修復」や「システムの復元」を試みます。
    • OSの再インストール: 修復が不可能な場合、データをバックアップした上で、クリーンインストールを検討します。ただし、この場合、データが失われる可能性があるため注意が必要です。
  6. M.2ストレージの物理的確認と交換

    • ストレージの取り外しと再装着: M.2ストレージを一度取り外し、再度しっかりと装着します。接触不良が原因で認識されていない可能性もあります。
    • 別のストレージへの接続: 別のM.2スロットがある場合、そちらに接続してみます。また、使用可能な別ストレージ(Windows 10入りSSDやHDD 4TB)にOSをインストールし、データへのアクセスを試みます。
  7. データのバックアップと復旧

    • ライブUSBを使用したデータアクセス: LinuxのライブUSBを作成し、PCをライブUSBから起動します。これにより、M.2ストレージにアクセスできる場合、データを外部ストレージにバックアップします。
    • データ復旧ソフトの使用: 専門のデータ復旧ソフトウェアを使用して、ストレージからデータを復旧する方法もあります。ただし、成功率は状況によります。
  8. 専門家への相談

    • メーカーサポートの利用: MSIやFanxiangの公式サポートに問い合わせ、ハードウェアの故障や互換性の問題についてアドバイスを受けます。
    • 専門の修理業者への依頼: 自力での修復が難しい場合、信頼できるPC修理業者に診断と修理を依頼します。

予防策と今後の対策

今回のトラブルを踏まえ、今後同様の問題を防ぐための予防策と対策を考えてみましょう。

  1. 定期的なバックアップの実施

    • クラウドストレージの活用: OneDriveやGoogle Driveなどのクラウドストレージを活用して、重要なデータを定期的にバックアップします。
    • 外部ストレージへのバックアップ: 定期的に外部HDDやSSDにデータをバックアップし、万が一の際に迅速にデータを復旧できるようにします。
  2. アップデート前の準備

    • システムのバックアップ: Windowsのアップデート前には、システム全体のバックアップを取得します。これにより、アップデート後に問題が発生した場合でも、元の状態に戻すことが可能です。
    • ドライバーの最新化: アップデート前に、すべてのハードウェアドライバーを最新バージョンに更新しておきます。これにより、互換性の問題を減少させることができます。
  3. システムの監視とメンテナンス

    • 温度管理: PC内部の温度を定期的に監視し、冷却システムが正常に機能しているか確認します。過熱はシステムの不安定さやハードウェアの故障を引き起こす原因となります。
    • ディスクの健康状態のチェック: CrystalDiskInfoなどのツールを使用して、ストレージの健康状態を定期的にチェックします。早期に問題を発見し、対策を講じることが重要です。
  4. システムの安定性の確保

    • 不要なソフトウェアの削除: システムのパフォーマンスを維持するために、不要なソフトウェアやサービスを削除または無効化します。
    • ウイルス対策の徹底: 信頼性の高いウイルス対策ソフトを導入し、定期的なスキャンを行うことで、システムの安全性を確保します。

まとめ

Windows 11のアップデート後にOSが起動しなくなる問題は、さまざまな要因が絡み合って発生する可能性があります。知人のケースでは、M.2ストレージの認識不良が主な問題として浮上しましたが、他にもBIOS設定やドライバーの問題、システムファイルの破損などが考えられます。適切なトラブルシューティング手順を踏むことで、問題の原因を特定し、解決に向けた対策を講じることが可能です。

特に、アップデート前のバックアップやシステムの定期的なメンテナンスは、同様のトラブルを未然に防ぐために非常に重要です。万が一の際にも迅速に対応できるよう、日頃からの準備を怠らないよう心掛けましょう。